ワークポート/20代~40代からみた「働くシニア世代」のイメージについて調査を実施
70%以上が「働くシニア世代を尊敬」
シニア世代積極採用企業も「好印象」が約80%
人生100年時代に向けて 定年制廃止に「賛成」の声が約80%
※本調査では50歳以上を「シニア世代」と称します。
人生100年時代と言われ、従来よりも長期の就労を求められる時代に突入しました。政府は2019年5月、定年延長・定年廃止・定年後の再雇用などを盛り込んだ「高年齢者雇用安定法改正案」の骨格を発表し、2020年には通常国会に提出するとしています。労働人口減少問題が深刻化する今、シニア世代の活用に注目が集まっており、今後シニア世代の採用市場は一層活性化していくことが予測されます。職場でもシニア世代と肩を並べて働く機会が増えていく中で、20代~40代の若手世代は働くシニア世代や、シニア世代とともに働くことについてどう感じているのか調査しました。
さらに、同対象者にシニア世代と一緒に働くメリットとデメリットを聞いたところ、メリットとしては、長年培ってきた経験や知識を教えてもらうことで自身も成長できるとの意見が最も多く挙がりました。またデメリットとしては、価値観の違いからなる考え方の相違によって円滑なコミュニケーションをとることが難しいといった意見が多く見られました。
▼50歳以上のシニア世代と一緒に働くメリット(回答者のコメント) ・仕事以外のことを教えてもらうことも多く、たとえ部下であっても精神的に頼れる場面が多い(40代・女性・接客販売) ・知識や経験が豊富なので、マニュアルではなく経験則から答えを聞ける(20代・男性・建築土木) ・落ち着きや貫禄、余裕がありとても仕事をしやすい(40代・女性・コールセンター) ・年齢に関係なく頑張れるのだと元気をもらえる(20代・女性・接客販売) ・若い人にはない意見を聞けることがある。若い人が何とも思わないところに不便さや迷いを感じるという意見などはとても参考になる(30代・女性・クリエイター) ・経験を聞くことで今後に活かせるし、多角的な視点が身につく(20代・女性・医療福祉) ・対人スキルに長けていて、社内外にネットワークがある(40代・男性・企画マーケティング) ▼50歳以上のシニア世代と一緒に働くデメリット(回答者のコメント) |
また、今までシニア世代と働いた経験がない、もしくはわからないと答えた29人に、シニア世代と一緒に働いてみたいと思うか聞いたところ、「とても思う」(13.8%)、「やや思う」(41.4%)とする人が合わせて55.2%となり、「あまり思わない」(31.0%)、「まったく思わない」(13.8%)とする人が合わせて44.8%でした。働いてみたいと回答した人からは、「年齢にとらわれず働きたいと思うから」(30代・男性・事務)、「自分にない意見や発想を持っていると思うから」(30代・男性・システムエンジニア)といった意見が挙がりました。一方で、働きたくないと回答した人の意見からは、「先入観かもしれないが、昔からの考えが根付いていて新しいものに対応できない気がしてしまう」(20代・女性・事務)、「昔の風潮を押しつけられそうだから」(20代・女性・接客販売)といった、シニア世代に対するイメージを理由に敬遠しているようすがうかがえました。
■約70%が今後シニア世代を積極採用する企業は「増えると思う」と回答
現在の会社(直近に在籍していた会社)ではシニア世代を積極採用しているか聞いたところ、「はい」と回答した人は13.6%、「いいえ」と回答した人が55.7%、「わからない」と回答した人が30.8%でした。
しかしながら、今後シニア世代を積極採用する企業は増えると思うか聞いたところ、「とても思う」(20.1%)、「やや思う」(45.4%)とする人は合わせて65.5%となり、「あまり思わない」(28.6%)、「まったく思わない」(5.9%)とする人を合わせた34.5%を大幅に上回る結果となりました。
現状シニア世代の積極採用に取り組めている企業はまだまだ少ないかもしれませんが、実際に働く20代~40代の若手世代の大多数が今後「シニア世代の積極採用企業が増えていく」と感じているため、データには表れていないもののさまざまな企業で着実にシニア世代採用に向けての準備を進める動きが見られ始めていると考えてもよいかもしれません。
■約80%がシニア世代を積極採用する企業に好印象 世代超え採用の門戸を広げる柔軟性がイメージアップに
さらにシニア世代を積極採用する企業に対してどのようなイメージを持つか聞いたところ、「とても良いイメージ」(28.2%)、「やや良いイメージ」(51.3%)とする人は合わせて79.5%となり、「やや悪いイメージ」(15.4%)、「とても悪いイメージ」(5.1%)とする人は合わせて20.5%でした。
良いイメージと回答した人に理由を聞くと、「世代に関係なく働きたい人に働く場を提供しているのは良いことだと思う」(40代・男性・管理)、「年齢という枠組みにとらわれない柔軟な考えができる企業だと感じる」(30代・男性・営業)、「シニア世代を重視できる会社は、人材育成や職務経験を大切にしていると思われる」(40代・女性・コールセンター)など、シニア世代の採用に積極的であることが、さまざまな世代に採用の門戸を開いている企業であるというイメージにつながっているようで、そういった考えかたに魅力を感じるという意見が最も多く見られました。また、「高齢化が進んでいるなかで長期的な経営展望を描いていると感じる」(40代・男性・管理)、「社会問題に沿って柔軟に対応していると感じるから」(20代・女性・運輸交通)といった、社会の流れに応じた柔軟な対応ができる企業の体制を評価する声も散見されました。
悪いイメージと回答した人の意見からは、「経験が浅い若い世代にチャンスを与えないイメージ」(30代・女性・企画マーケティング)、「新たな考えやビジョンが生まれにくそう」(30代・男性・クリエイター)といった、若手の成長や企業の発展を妨げるのではないかと不安視する声が最も多く見られました。
最後に、20代~40代の若手世代に定年制の廃止に賛成するか聞いたところ、「賛成する」(35.2%)、「どちらかといえば賛成する」(41.8%)とする人が合わせて77.0%となり、「どちらかといえば反対する」(16.8%)、「反対する」(6.2%)とする人は合わせて23.0%でした。賛成派の意見には、今後の人生を見据えた上で従来の定年制の仕組みに疑問を抱く声が多く見られました。定年後の長い人生を年金だけで生活していくのは難しいと考える人や、企業の人手不足に不安を抱く人が多く、シニア世代になっても変わらず働ける環境や制度の整備を求める声が多く挙がりました。また、自分たちで定年制を希望するのかしないのかを決められるような自由な働き方を求める声も多く見受けられました。昨今、働き方が多様化するなかで定年制についても時代の流れに沿った新しい取り組みが求められているようです。
・定年を過ぎても子育てがひと段落していない人が増えてきているから(20代・女性・接客販売)
・人口が減っていくなか、定年という考え方自体が馴染まなくなっていると思うから(40代・男性・システムエンジニア)
・働き方や生き方が多様化しているため。設置・廃止は企業ごとに決めればよいと思う(30代・男性・営業)
・年金制度がなくなるかもしれないので長く働ける環境作りが必要だと思う。長く働けるようになって、年齢関係なく転職ができる世の中になってほしい(30代・男性・クリエイター)
・人材はますます不足するので働きたいと希望する人にはチャンスを与えるべき(40代・男性・クリエイター)
・人生100年時代と言われているなか、定年で辞めて年金だけで生活ができるかと言われたら出来ないと思う。そのためにも働きたい人が働ける環境を作るべきだと思う(20代・女性・機械系エンジニア)
・年齢ですべてを決めつける風潮が一刻も早くなくなってほしいから。どの世代もきちんとチャンスのある世の中になってほしい(30代・男性・運輸交通)
・再雇用制度の場合、能力が落ちる訳でもないのに定年を過ぎた瞬間に急に給料が低くなる。能力に見合った給料の支払いが必要だと思う(20代・男性・機械系エンジニア)
▼定年制廃止に反対の理由(回答者のコメント)
・体力的にずっと働ける人ばかりではないから(30代・女性・事務)
・そこまでして働かなくてはいけない国の制度に問題があると思うから(20代・男性・営業)
・一定の線引きはあったほうが良いと思うから(40代・男性・システムエンジニア)
・若い人の出世や昇給が望めなくなると思うから(30代・男性・その他)
・終着点があった方が、そこに向かってキャリア設計しやすいと思うから(20代・女性・クリエイター)
・廃止ではなく、自身で定年をいつにするか決定できるのが良いと思っている(40代・女性・接客販売)
本調査の結果から、総じて20代~40代の若手世代はシニア世代に対してや、シニア世代とともに働くことをポジティブに捉えていることがわかりました。シニア世代の積極的な活用が進めば、「同僚が60代」や「年下上司と年上部下」のような構図も当たり前に見かけるようになっていくでしょう。その時、“若手世代は若手世代の”、“シニア世代はシニア世代の”、それぞれの経験やスキル、強みを認め合い、足りない部分を補い合いながら協働していくことが「人生100年時代」に求められる働き方のスタンダードになっていくのではないでしょうか。
■調査概要 調査内容 :20代~40代からみた「働くシニア世代」のイメージ 調査対象者:当社利用者 有効回答 :273人 調査期間 :2019年11月21日~12月3日 ※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。 |
■ワークポートの取り組み
私たちはミスマッチのない転職を実現し、すべての人や企業がいきいきと働ける社会を創ることが最大のミッションであると考えています。また、質や満足度の高いサービスを提供したいという思いを込め、キャリアコンサルタントを“転職コンシェルジュ”と呼んでいます。転職希望者のキャリアや人生設計に適う求人のご紹介のほか、ご要望に合わせて年収交渉や退職のアドバイスなどをいたします。転職コンシェルジュとしての質の向上のため、人間性と専門性を高める取り組みなども行っています。
※「転職コンシェルジュ®」はワークポートの登録商標です。https://www.workport.co.jp/trademark/
※この調査内容を転載ご利用いただく場合は「ワークポート調べhttps://www.workport.co.jp/」の表記をお願いいたします。
■会社概要
商号 :株式会社ワークポート
代表者 :代表取締役CEO 田村高広
設立 :2003年3月
事業内容:人材紹介サービス(有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-040590)
拠点 :大阪、福岡、名古屋、仙台、横浜、埼玉、神戸、立川、千葉、京都、岡山、広島