2019.7.12 シニアのキャッシュレス決済について
クレジットカードや電子マネー、デビットカードをはじめとしたキャッシュレス決済に加えて、最近では「スマートフォン決済」、「QR決済」等、キャッシュレス決済の普及が急速に広がっています。
代表的なスマホ決済参入企業の『LINE Pay』、『Pay Pay』、『楽天ペイ』、『メルペイ』は、新規利用者獲得のため、支払金額のうちの一部を還元するのキャンペーンを大々的に行っています。
しかしながら、若い世代と比較してスマートフォンの保有率の低いシニアのキャッシュレス決済の利用率はどうなのでしょうか…今回はそんなシニアのキャッシュレス決済についてご紹介します。
シニアのキャッシュレス決済の実状
何となくシニア・高齢者は現金主義で、キャッシュレス決済の利用率は低いのではないか…と想像する方も多いのはないでしょうか?
ところが、2019年1月の日本経済新聞の記事によると…
『高齢者の間でキャッシュレス決済が予想外に広がっている。70歳代以上の電子マネー平均利用額は直近5年間で87%増え、伸び率は全世代の平均(58%)を上回る。使える金額の上限をあらかじめ設定できたり、現金を数えなくて済んだりするメリットがシニア世代に受け入れられている。「高齢者は現金へのこだわりが強い」との固定観念とは逆の動きだ。人生100年時代をにらみ、企業は商機を見いだしている。 キャッシュレス決済に前向きな高齢者の姿を映すのが、家計消費状況調査による電子マネー利用額の変化だ。世帯主が70歳代以上では2012年時点で年8,688円と全世帯平均の8割だったが、2017年には16,216円に増え全世帯の平均に並んだ。80歳代以上に限ると17,492円と全世代で最多だ。』
さらには、
『決済サービスコンサルティングの宮居雅宣代表は「一度キャッシュレス決済を使うと定着しやすいのが高齢層の特徴だ」と指摘する。小売店はキャッシュレス決済で詳細な顧客データを獲得できる。今後は高齢層の囲い込みを狙ったサービスが広がると予想する。』
とあります。スマートフォン決済はまずは若年層の新規獲得のためのキャンペーンを中心に展開していると思われ、特にシニア世代に限定したキャンペーンは行っていないようですが、電子マネーやクレジットカードの中にはシニア層を対象に発行されているものがあります。一般向けに比べて割引やポイントなどの特典が手厚いのが特徴です。
大手流通企業のシニアに限定した電子マネー
- 対象:60歳以上
- 特典:通常のnanacoサービス(8日・18日・28日の5%オフ)に加え、全国のイトーヨーカドーの店舗で毎月15日、25日にシニアナナコでの支払で、ほぼ全品5%の割引。
- 対象:55歳以上
- 特典:毎月15日のG.G感謝デーにG.G WAONでの支払で5%オフ。さらに「お客さまわくわくデー」で基本のWAONポイントの2倍。
- 対象:65歳以上
- 特典:毎月15日のG.G感謝デーにゆうゆうワオンでの3,000円以上の支払で100WAONポイント付与。
流通企業のポイントカードによるシニア限定特典
その他、電子マネーではありませんが、シニア会員の囲い込みに向け策として、ポイントカードでシニア限定の特典を用意している企業もあります。
- 対象:60歳以上
- 特典:アプリ会員はクーポン提示、もしくは年齢確認できる身分証明書提示で、毎月15・16・17日の3日間の買い物で、割引除外品を除き5%の割引。
- 対象:60歳以上
- 特典:毎月15・16・17日の「ツルハグループシニア感謝デー」に、シニアマークの付いたツルハポイントカードの提示で5%割引。
- 対象:65歳以上
- 特典:シニアパスポート提示で、毎月1日・15日はほぼ全品5%の割引。
- 対象:60歳以上
- 特典:毎月5日・15日・25日に「ふれあいポイントカード」提示で総額から5%割引。
これら各社の電子マネーの特典・ポイントカードのシニア向け特典の共通点は「15日」。この「15日」は年金受給日であり、年金支給直後のシニアの来店促進策、まとめ買い促進策として設定されていいるようです。
今後、シニア向けの電子マネーだけでなく、スマホ決済も参入企業様々な特典を展開する可能性も大いにありますので、シニアライフ総研としては随時チェックして参ります!