目指せ!シニアYouTuber。REDEEで高齢者向けYouTuber講座開催。

2022/9/12

~大人の部活動。読売新聞が応援する「わいず倶楽部」会員向けにワークショップを開催~

日本最大級のデジタル教育施設「REDEE(レディー)」(所在地:大阪府吹田市、 運営:レッドホースコーポレーション株式会社)は、 大人の部活動を応援する読売新聞大阪本社の会員組織「わいず倶楽部」の会員向けに「目指せYouTuber講座」を全6回で開催しました。 高齢者の方もYouTubeを投稿してみたい、 やりたい、 という熱い思いがそれぞれあり、 その思いを叶えていただくためのワークショップでした。 6月末から開始し、 8月中旬までの集中講座全6回に19名の高齢者たちが参加され、 新たな学びを楽しんでおられました。
REDEEはゲームを通じて楽しみながらデジタル知識・技術を身につけるデジタル教育をおこなっており、 今後も子どもたちだけでなく、 あらゆる年齢層の方にデジタルに触れ、 学んでいただけるよう様々な取組をしてまいります。

  • 最高齢は75歳。 目的や経験は違えど、 動画で自分の思いを発信したい気持ちは同じ。 目指すはシニアYouTuber。

高齢者向け「目指せYouTuber講座」は、 月曜コースと火曜コースで合計19名のわいず倶楽部の会員様に参加いただきました。 6月27日から8月9日まで、 全6回のワークショップを通して動画編集が出来るようになって、 動画をYouTubeに投稿出来るようになることを目的に開催しました。
全6回のスケジュールは以下の通りです。
 第1回 YouTuberとは
 第2回 撮影技術編
 第3回 編集技術編
 第4回 企画立案~撮影実践1.
 第5回 企画立案~撮影実践2.
 第6回 アカウント作成~動画アップロード
参加者のみなさんは、 それぞれに自分自身でこんな動画を投稿したいという目的を持ってご参加いただきました。 中には「過去の農業体験で得たノウハウを特に農業初心者の方に教えて差し上げたい」という熱い思いをもって参加された方もいらっしゃったり、 「自分の考えた料理を、 文字や写真に加え動画でわかりやすく配信したい」「版画の個展の映像を YouTube にアップしたい」「バイクでの旅行を計画中。 バイクからの様子を動画に撮り編集して投稿したい」など、 目的はそれぞれではありましたが、 みんな真剣に6回のワークショップに取り組んでおられました。
参加者の年齢は50歳から75歳までと幅広く、 遠くは天理や橋本、 名張などからも参加いただきました。 初めての体験に戸惑いながらもみんなでワイワイと楽しく勉強されていました。

参加後の感想は「もっと知りたくなった」「気軽に続けられそう」といったものから、 今後「メタバースを学びたい」「ドローンをやってみたい」「孫とプログラミングについて話ができるようになりたい」など、 何かを学びたい、 身につけたいという欲は年齢に関係ないんだなと、 改めて考えさせられました。

  • 全6回のワークショップで、 初心者でも動画をアップ。 夢にYouTuberに。

今回のワークショップに参加された65歳の女性の方からうれしいメールをいただきましたので、 ご紹介いたします。

<メール本文:抜粋>
わいず倶楽部の目指せyoutuberの講座に参加させていただきました。 6回の講座、 自撮りでカバンの中身の紹介とか、 初体験ばかりでワクワクする時間を楽しめました。
わからないまま、 たくさん質問しつつ、 それに丁寧に対応していただきながらあっという間に最終回となりました。 このような経験をさせていただき、 何より最後にはまがりなりにもYouTubeに自撮りの動画をアップできて本当に驚きです。
講座中に、 字幕を動かす方法も伝授いただき、 それを使いまくりすぎてますが、 何とかへたくそが作った動画、 一応アドレスつけます。
https://youtu.be/YCku8iUKrTM

 初心者の方が動画を自分で撮影され、 編集し、 YouTubeにアップされるまでのお手伝いができ、 さらに今後もいろいろ投稿していきたいという思いが伝わり、 今回のワークショップを開催して本当によかったと感じています。
わいず倶楽部では今後デジタル部を発足すべく活動されており、 REDEEでもわいず倶楽部と協力して取組ませていただきます。 まずは、 9月に今回のYouTuber講座の追加講座として上級編集講座を開催します。 また、 その後も動画編集だけでなく、 様々なデジタル体験をいただけるワークショップを企画し、 高齢者の方のデジタル体験をお手伝いしていきます。
REDEEでは今後も子どもたちに向けてのデジタル教室だけでなく、 あらゆる年齢の方に最新のデジタル機器でデジタル体験をいただけるよう取り組んでまいります。

【REDEEは日本最大級のデジタル教育施設】
「REDEE」は、 ゲームの体験を通じて、 デジタル技術をはじめ、 広域な知識やスキルを獲得するための施設として、 2020年3月1日に大阪府吹田市のエキスポシティ内にオープンした日本最大級のデジタル教育施設です。 258席を有するシアターのプロゲーマー体験エリアで、 eスポーツ大会の出場者さながらの体験やゲーム実況者体験、 メタバースやVR、 ドローンの体験、 プログラミング教室など、 最新のデジタル機器で誰もが気軽に楽しんで、 学べる施設です。 学校関係者向けの校外学習や修学旅行先としても大変人気のスポットで、 コロナ禍においても多数の団体様にご来館をいただております。
公式サイト: https://redee.game/
住所:〒565-0826 大阪府吹田市千里万博公園2-1
アクセス:大阪モノレール「万博記念公園駅」より徒歩約2分、 ららぽーとエキスポシティ内
施設面積:1,457坪
運営会社:レッドホースコーポレーション株式会社

【わいず倶楽部】
https://ysclub.jp/
地域や社会にかかわり、 人生を充実させたい。 新しいことに挑戦したい。 「わいず倶楽部」は、 そんな思いを持つ50歳以上の方を応援する読売新聞大阪本社の会員組織。 「読売新聞の」という「Y’s」、 楽しく集う「わいわい」、 会員の知恵を生かす「WISE」(賢明な)の意味を込めました。
「わいず倶楽部」は地域や社会に関わり生活を充実させる「大人の部活動」を応援しています。

【レッドホースコーポレーション株式会社】
本社:〒130-0015 東京都墨田区横網1-10-5 KOKUGIKAN FRONT BUILDING 2階
設立:1964 年 3 月
代表者:代表執行役 グループCOO 宮本 隆温
事業内容:地域産業支援及び活性化事業、 コンシューマー事業、 エデュテインメント事業(eスポーツ)、 ギフト事業
URL: https://www.redhorse.co.jp/

【お客様からのお問い合わせ先】
TEL:06-6155-7299
e-mail:contact@redee.game

【本リリースに関する報道関係の方からのお問い合わせ先】
担当:見原(みはら)
電話番号:070-1608-2531
e-mail:service-info@redhorse.co.jp


【本リリースに関する報道関係の方からのお問い合わせ先】
担当:見原(みはら)
電話番号:070-1608-2531
e-mail:service-info@redhorse.co.jp

2022/9/13

~9月1日は防災の日~9月製造分から順次出荷開始

キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、 代表取締役 社長執行役員:高宮 満、 以下キユーピー)は、 市販用介護食「やさしい献立」シリーズ全52品のうち約6割にあたる31品の賞味期間を19カ月から25カ月に延長し、 9月製造分から順次出荷を開始しています。

  • 備蓄できる期間が長くなり、 介護施設におけるBCP義務化の対応をサポート

「やさしい献立」シリーズは、 食べやすさに配慮した市販用介護食です。 やわらかくする必要がある“介護食”は通常の食事に比べて災害時の確保が難しく 、 自然災害が多発する近年、 キユーピーでは「やさしい献立」を非常食として備蓄する提案を続けています。

介護施設においても、 慢性的な人手不足やコロナ禍による一時的な人手不足への備えとして「やさしい献立」の利用が広がっています。 さらに令和3年度介護報酬改定※1に伴い、 全ての介護サービス事業者を対象に、 感染症や災害発生時の業務継続に向けた計画等(BCP:Business Continuity Plan)の策定が義務化され(3年間の猶予期間)、 介護現場では非常食を準備する動きが加速 しています。 施設の非常食は、 賞味期限の管理や定期的な入れ替え業務が必要になることから、 購入後も長く保管できる商品が望まれます。 これまで「やさしい献立」の賞味期間は19カ月(すりおろし果実、 とろみファインを除く)でしたが、 製造から購入までに数カ月を要した場合、 備蓄できる期間が1年未満となるケースもあり、 1年ごとに入れ替えを行う施設では採用しにくいとの声がありました。 本シリーズの保存性について改めて検証したところ、 31品で賞味期間25カ月への延長が可能となりました。 中でも「煮込みハンバーグ」などのおかず商品は、 UDFのレトルトおかず※2としては最長の賞味期間 です。 これにより 備蓄期間を1年以上確保できる可能性が大幅に高まることから、 家庭向けだけでなく施設向けの提案を強化し、 2024年の義務化に向けた介護現場のBCP対応をサポート します。

※1 令和3年1月18日に厚生労働省が公表。 新型コロナ感染症拡大や大規模災害の発生状況を踏まえて「感染症や災害への対応力強化」が加えられ、 3年間の経過措置はあるものの、 BCP策定、 研修・訓練の実施などが義務付けられた。 被災時、 行政支援開始目安の3日目まで自力で業務継続するための備蓄が求められている。

※2 日本介護食品協議会に登録されたUDF(ユニバーサルデザインフード)のうち、 2022年8月時点で「家庭用」として販売されている「レトルト」の「おかず」商品。

  • サプライチェーン全体の食品ロス削減にも貢献

キユーピーグループは、 事業を通じて取り組むべき社会課題を重点課題として特定し、 それを指標とした「サステナビリティ目標」の一つに「資源の有効活用・循環」を掲げています。 資源の有効活用・再資源化など、 さまざまなアプローチを進める中、 「賞味期間の延長」は、 商品の製造後、 保管・輸送から、 流通・販売、 消費までの各段階における食品ロス削減につながる取り組みです。

キユーピーは、 今後も介護食や育児食など、 災害時の確保が難しい「配慮が必要な食事」への備えを提案するとともに、 持続可能な社会の実現に向けて食品ロスの削減にも取り組んでいきます。

  • 介護現場からコメント

災害時も利用者に安全な食事を提供するためには“日頃からの備え”が大切です。 当施設では、 非常時だからこそ“食べ慣れた食品”が必要と考え、 非常食はローリングストックをして使っています。

一方、 昨今の物価上昇で非常食の予算確保が難しくなっており、 賞味期間の延長は予算確保の面でも助かります。 とはいえ、 非常食は高くてもそれだけの価値があり、 当施設でも防災の日には特別給食で「防災食を食べてみよう!」といった企画も行っています。

冷凍食品は解凍の手間がかかりますが、 レトルトはそのままでも食べられる点がとても便利です。 最近では感染対応や災害時の緊急対応が必要となり、 人手不足から慣れないスタッフが調理や食事介助に回ることがあります。 そんな時にも非常食を活用することがあり、 慣れないスタッフでも安全でおいしい食事が提供できるので助かっています。

  • 対象商品概要

1.ブランド・商品名・内容量・賞味期間 〈変更前・変更後〉


<UDF区分※3:容易にかめる> レトルトパウチ:4品(全6品中)

ブランド商品名内容量賞味期間
(変更前→後)
キユーピーやさしい献立 海老だんごのかきたま100g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 煮込みハンバーグ100g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 貝柱のマカロニグラタン100g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 鶏と野菜のシチュー100g19カ月→25カ月

<UDF区分:歯ぐきでつぶせる> レトルトパウチ:4品(全10品中)

ブランド商品名内容量賞味期間
(変更前→後)
キユーピーやさしい献立 おじや 親子丼風160g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 おじや 鮭大根160g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 おじや 鶏ごぼう160g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 けんちんうどん120g19カ月→25カ月

<UDF区分:舌でつぶせる> 13品(全19品中)

レトルトパウチ:7品

ブランド商品名内容量賞味期間
(変更前→後)
キユーピーやさしい献立 やわらかおかず
かぼちゃの含め煮
80g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかごはん150g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかおじや 鶏とたまご150g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかおかず うなたま80g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかおかず
さつまいもと豆のきんとん
80g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかおかず 豚汁100g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかおかず
海老グラタン
80g19カ月→25カ月

カップタイプ:6品

ブランド商品名内容量賞味期間
(変更前→後)
キユーピーやさしい献立 やわらか親子丼風130g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかナポリタン130g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらか鶏釜めし130g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかチャーハン130g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかオムライス風130g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 やわらかカレーライス130g19カ月→25カ月

<UDF区分:かまなくてよい> レトルトパウチ:10品(全14品中)

ブランド商品名内容量賞味期間
(変更前→後)
キユーピーやさしい献立 なめらか野菜 にんじん75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらか野菜
グリンピース
75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらか野菜 コーン75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらか野菜 かぼちゃ75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらかおかず
鶏肉と野菜
75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらかおかず 
大豆の煮もの
75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらかおかず
豚肉と野菜
75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらかおかず
鮭と野菜
75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらかおかず 
白身魚と野菜
75g19カ月→25カ月
キユーピーやさしい献立 なめらかおかず
牛肉じゃが
75g19カ月→25カ月


※3 UDF(ユニバーサルデザインフード)区分:日本介護食品協議会が定めた自主規格。 かむ力や飲み込む力に応じた4区分(「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」)と「とろみ調整」で構成。

2.出荷時期

2022年9月製造分から順次出荷


【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
キユーピー株式会社 広報担当:室塚(むろづか)
電話:03-3486-3051 メールアドレス:pr@kewpie.co.jp

2022/9/13

軽度認知障害の早期発見に向けた簡便な検査方法の確立に導く

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典/以下、 長寿医療研究センター)は、 手指のタッピング運動に着目した臨床研究を進め、 両手の母指(親指)と示指(人差し指)のタッピング運動(図1および図2)から、 軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment/以下、 MCI(*1))者特有の運動パターンの抽出に成功しました。

 本成果は、 長寿医療研究センター、 株式会社日立製作所研究開発グループ(以下、 日立)およびマクセル株式会社(取締役社長:中村啓次/以下、 マクセル)による共同研究において、 磁気センサを用いて手指の巧緻運動を定量化する技術を活用し、 タッピング運動(*2)の多様な特徴を解析することで得られたものです。 将来、 MCI者の早期発見を支援する検査方法の確立に繋がる成果です。
 近年、 日本をはじめその他の国々では高齢化が進み、 認知症者数は年々増加しています。 認知症のリスクを早期に発見することは、 認知症の進行を遅らせ、 認知症者数を減らすために、 とても重要です。

 現在、 認知症に関する脳脊髄液・血液バイオマーカーの研究・開発が進んでいますが、 被験者への経済的、 身体的負担が大きく、 検査や解析に時間がかかるなどの課題があります。 また、 被験者の負担の少ない検査方法として、 問診・観察を中心とした神経心理学的検査が多く活用されていますが、 検査日や時間帯によって結果が変動するなどの課題が知られています。 そのため、 精度が高く、 被験者への負担が少ない簡便なスクリーニング検査(*3)を行うことができれば、 認知症リスクの早期発見につながり、 ひいては健康寿命を延ばし、 医療費や介護費の削減にも貢献できると考えられます。


 長寿医療研究センターと日立は、 2016年に発表した「アルツハイマー型認知症に特有の指タッピング運動パターンの抽出」の研究成果をもとに、 MCIの早期発見に向けたさらなる臨床研究を継続してきました。 今回、 2019年にマクセルが製品化した「磁気センサ型指タッピング装置UB-2(非医療機器)を用いて多くの被験者に協力いただき、 またMCI者の手指のタッピング運動を解析したところ、 MCI特有の運動パターンを抽出することに成功しました。 さらに、 健常高齢者の値(各特徴量のカットオフ値(*4))と比較することで、 高精度にMCIに特徴的な認知機能低下を検出できることを確認しました。 評価結果および評価に用いた技術は次の通りです。


1.   軽度認知障害を同定する指タッピング運動のカットオフ値の設定
 MCI者173名と健常高齢者173名を対象に指タッピング運動を計測し、 2つのグループの特徴量を比較(図3)すると、 両手交互タッピング時のタッピング回数(相関係数(*5) r=0.51)、 タッピング間隔の平均値(r=0.45)、 タッピング間隔の標準偏差(r=0.43)、 すくみ回数(r=0.41)などで有意差が認められました。
 また、 ROC解析(*6)結果(図4)から、 タッピング回数(カットオフ値 30回、 感度(*7) 0.769、 特異度(*8) 0.665、 AUC(*9) 0.79)、 タッピング間隔の平均値(カットオフ値 0.472秒、 感度 0.711、 特異度 0.723、 AUC 0.79)、 タッピング間隔の標準偏差(カットオフ値 0.065秒、 感度 0.676、 特異度 0.734、 AUC 0.77)、 すくみ回数(カットオフ値 32.5回、 感度 0.688、 特異度 0.717、 AUC 0.74)が得られました。

MCI者の指運動機能について健常高齢者と比較した場合、 微細運動障害、 指先の巧緻性の低下、 タップ回数の減少が示されました。 しかし、 これまでMCI者と健常高齢者を区別するためのカットオフ値を定めた詳細な研究はなく、 本研究では、 指タッピング運動の特徴量がMCIに特徴的な指の機能を捉えるうえで有用である可能性が示唆されました。


2.手指の巧緻運動を高精度に定量化する技術の改良
 本臨床研究では、 「磁気センサ型指タッピング装置UB-2」(図5)を活用しました。 2016年の先行研究の時と比較すると、 指タッピング運動の振幅、 タッピング間隔、 両手の位相差などの21種類の特徴量算出に加えて、 すくみ、 ふるえなどの微細な動きを捉える機能など23種類の特徴量を追加しており、 装置として算出可能な特徴量を44種類に拡張しています。 これにより、 詳細な指タッピング運動の評価が容易になりました。


 UB-2は、 装着が容易で、 侵襲がなく、 生体安全性の高い小型・軽量を図ったコンパクト設計を採用しており、 短い計測時間で、 被験者に負担の少ない測定・評価が可能です。 今後、 さらに多くの指タッピング運動のデータ測定と解析を進め、 評価方法の精度向上を行うことで、 軽度認知障害の早期スクリーニングに向けた簡便な検査方法の確立に取り組んでいきます。

 本成果は、 2022年8月9日に、 Hong Kong Journal of Occupational Therapyに論文が掲載されました。
  https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/15691861221109872
 なお、 本研究は、 長寿医療研究センターの倫理審査委員会の承認を得て実施されました。


*1 軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment/MCI):物忘れが主たる症状だが、 日常生活への影響はほとんどなく、 正常と認知症の中間ともいえる状態
*2 タッピング運動:指を繰り返し開閉する運動
*3 スクリーニング検査:精密検査を行う前に行われる選別試験

*4 カットオフ値:2つのグループ(通常は正常人と特定疾患群)を識別する目的で定めた,境界値または(しきい(=閾)値)のこと
*5 相関係数:2つの数値の関連性の強弱を測る指標。 完全な正の相関がある場合は、 「1」、 完全な負の相関がある場合は、 「-1」となります
*6  ROC(Receiver Operating Characteristic)解析:モデル予測の正確度を評価するための方法のひとつ
*7 感度:臨床検査の性格を決める指標の1つで、 ある検査について「陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率」として定義される値である
*8 特異度:臨床検査の性格を決める指標の1つで、 ある検査について「陰性のものを正しく陰性と判定する確率」として定義される値である
*9  AUC(Area Under the Curve):ROC曲線を作成した時に、 グラフの曲線より下の部分の面積を示し、 0から1までの値をとり、 値が1に近いほど判別能が高いことを示す

図1 両手の指タッピング運動(左)、 図2 両手の指タッピング運動波形(右)
図3 MCI者と健常高齢者の指タッピング運動における特徴量を比較
図4 ROC解析図
図5 磁気センサ型指タッピング装置 UB-2

■磁気センサ型指タッピング装置 UB-2(製品)のWebサイト
https://biz.maxell.com/ja/wellness_beauty_care/finger_tapping/ 

■商標
記載の会社名、 製品名は、 それぞれの会社の商標または登録商標です。

■本研究に関するお問い合わせ先
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
病院長室
電話:0562-46-2311
E-mail: rehab@ncgg.go.jp

マクセル株式会社 新事業統括本部
お問い合わせフォーム:
https://biz.maxell.com/ja/wellness_beauty_care/inquiry_form_input2.html

以上


【本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先】
 マクセル株式会社
 コーポレート・コミュニケーション本部
 岡田 千怜(chisato.okada.yb@maxell.co.jp)
 片峯 美由紀(miyuki-katamine@maxell.co.jp)
 tel:03-5715-7061 fax:03-5463-6551

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