インフィック/NTT東日本・インフィック、埼玉県の訪問介護現場で実証実験開始
2020/3/23
IoT見守りセンサーでひとり暮らし高齢者の生活をより安全・確実に
感染症リスクや快適環境もリアルタイムで管理
2020年3月より、埼玉県鴻巣市の定期巡回・随時対応型訪問介護看護「なでしこ」の巡回サービスを利用している独居高齢者の自宅に「LASHIC(ラシク)」を設置。週数度の巡回訪問時以外の安全確認、緊急時の対応をどのように行っていくかの検証を3カ月に渡って行います。
見守りセンサー「LASHIC(ラシク)」が感知する部屋の環境(温度・湿度が適切であり、感染症リスクなどがないか等)、体調(ベッド上での体調に異常がないか等)、行動(昼夜逆転傾向や日中の動きが少なくなる等)をリアルタイムにケア担当者が
把握する体制をしき、より適切で確実な、センサーと巡回による介護手法のノウハウを構築していくことを目指します。
・Aさん 性別:女性/年齢:87歳/介護度:自立
現在の生活状況:一軒家にて独居。週1回のデイサービスを利用。月に2度、清掃のための訪問を行っている。
LASHIC設置で期待される効果:自宅での様子を掴むことができる安心感。
(健在か、普段と同程度の活動量か=活動の昼夜逆転傾向など、認知症の前兆等がみられないか、怪我等によって要介護状態を招く事故が起こっていないか、温度・湿度等の環境が最適か)
・Bさん 性別:女性/年齢:88歳/介護度:要介護3
現在の生活状況:一軒家にて独居。家族・親戚と疎遠。1日2回訪問介護利用(生活支援から身体介助)週3日デイサービスに通う。
LASHIC設置で期待される効果:生活状況の把握、特に就寝時の見守りに注力。
(訪問介護が夕方の時間帯までしか行えないため、それ以降の的確なケア内容を把握し戦略立てたい)
■設置センサーは、住環境を感知する「LASHIC room」、
就寝・起床、心拍等をモニターする「LASHIC -sleep」、
緊急時にワンボタンで介護者と会話できる「LASHIC -call」の3種
対象者の自宅に設置する見守りセンサーは「LASHIC(ラシク)」シリーズの3機種。カメラはついておらず、人感センサーにより行動をモニターする設計なので、対象者の方のプライバシーや自尊心を尊重できることも大きな特徴です。初期費用room・call:19,800円(税別)、sleep:29,800円(税別)のほか、月額980円(税別)での導入が可能で、見守りIoTセンサーの中でも廉価に導入できる価格設定となっています。(価格はセンサー1種につき)
「LASHIC room(ラシク ルーム)」
居室内の「温度」「湿度」「照度」「運動量・動き」をモニターし、居室内が健康を維持するうえで十分な条件を満たしているかをモニタリング。
・熱中症リスク、感染症リスクの警告 ・起床・就寝時刻の記録
・一定時間以上、動作がない場合の警告
・生活リズムの崩れによる認知症初期状態の注意喚起
・暗闇での徘徊など異常行動の把握と警告
<搭載センサー>
人感センサー(運動量・動き)/ 温度センサー / 湿度センサー/ 照度センサー
「LASHIC -sleep」
睡眠センサー。ベッドのマットレスの下に敷くだけで設置できる、対象者のベッド上での状態をモニターするセンサー。厚みのあるマットレスでも動作可能で、ビニールカバー付きで水濡れも対応。介護ベッドの背上げ、脚上げにも対応しています。
[動作] ベッド上の在・不在、体動 [バイタル] 脈拍(※)
[姿勢] 座位・仰臥位、左寄り・右寄り [睡眠] 睡眠・覚醒、睡眠快適度
※推定値であり医療的データではありません
「LASHIC -call」
ナースコール的役割を果たします。緊急通知ボタンを触ると指定したスマートフォンにアラートを送信。センサーとスマートフォン間での通話が可能。LASHIC-call 側は受話操作不要、自動で通話開始でき、スピーカーとマイクを内蔵しているため、ハンズフリーで通話可能なので転倒などで動けない場合にも話すことができます。スマートフォン側からはいつでも通話することができます。
番号ボタンに任意のスマートフォン番号を割り当て、通常の通話用に利用することも可能。インターネット回線を利用するため、通話料は発生しません。
<ラシク センサーの詳細>
https://lashic.jp/
参考:実証実験事例
栃木県日光市在住Kさん 性別:女性/年齢:81歳/介護度:要介護認定申請中
現在の生活状況:一軒家にて独居。 ADLの低下や一人歩きのリスクが出てきているため、訪問介護による支援を申請中。
LASHIC設置で期待される効果:自宅での活動量の確認ほか、室温が適正に管理できているか、昼夜逆転現象が起きていないかがなど日々のチェックができ、認知症状の兆しを逃さないことができる。
また、一定期間の実証実験を通じて取得したデータをAIが分析することにより、「いつもと違う」の気づきを提供してもらう。
以下は、令和2年3月14日におけるKさんの状況を踏まえた「お声かけチェック」のやりとり。
上図で、10時から15時付近まで外出した可能性がある状況で、当日夕方に電話にて安否確認を実施。
「なでしこ」からの安否確認の電話。
なでしこ:「Kさんこんにちは。本日はお出かけされましたか。体調などお変わりありませんか。」
Kさん :「今日は、日中、●●へ出かけてきました。途中、雪が降ってきたので早めに帰ってきました。」
なでしこ:「●●にお出かけしたのですね。今、コロナウイルスも流行っているようなので、なるべく人混みの中に行くのは避けましょうね。今日は気温も低くいようですから、風邪をひかないように暖かくしてくださいね。では失礼します。」
※上記の情報においては、利用者や家族の了解のもと、気になる事案があった場合に、ご親族のキーパーソンやケアマネージャー、地域包括支援センター、民生委員の方々等との共有することとしています。
※Kさん親族の方のお声。
「Kは、長年一人で暮らしてきているので、今後もその生活を希望している中で、生活状況、睡眠状況を確認できるとともに、普段との違いをAIが分析して気づかせてくれるのがありがたいです。何かあった際には、なでしこさんから連絡いただけることになっているので安心感が高まっているのがありがたいです。」
参考:調査データ
独居高齢者の安全への不安を持つ子どもも多い。
見守りIoTセンサーや通話センサーが不安解消のカギに。
インフィック株式会社が2019年10月に75歳~90歳の親を持つ子ども137名に「離れて暮らす親に関して不安なこと」を聞いたアンケート調査では、5人に1人以上の人(21.2%)が「連絡が少なく親の様子がわからない」と答えています。
ほかに、「孤独死など不慮の事故への対応」(16.8%)、「親がヘルパーなどの導入を嫌がる」(11.7%)、「食生活や薬服用などの普段の健康状態」(11.7%)という回答も多数。
ヘルパーに頼りたくないという高齢者はまだまだ自立できているというプライドがある場合が多いですが、万が一の際の環境や体調の異常を報せる用途での見守りセンサーの設置であれば、心理的ハードルも低く受け入れてくれるかもしれません。
また、親側から頻繁に連絡をしてこない場合も、いつでも気軽に子ども側のスマートフォンから“声かけ”ができる「LASHIC -call」を活用すれば、架電して相手が応じないと通話できない電話に比べ、頻度高く相手の状況を伺えるようになります。
インフィック株式会社 会社ホームページ
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