
世界一の億万長者メーカーがアメリカで成果が実証済みのビジネスアイデアを徹底解説!
- 著者:ダン・S・ケネディ、チップ・ケスラー
- 出版社: ダイレクト出版
- 発行: 2014年
裕福な高齢者層は何を買うのか、なぜそれを買うのか。彼らの消費額の多さとその多様性を知らないマーケターはチャンスを逃している。裕福でありながら現役で働き続ける人々の状況は、どんな機会をもたらすのか。毎日1万人がリタイアする一方で、ベビー・ブーマーの72%は65歳を過ぎても仕事を続ける予定だという。プロファイリングの力。この市場をさらに細かく分けて、デモグラフィックの中の理想の顧客を分析してリスト化することができる。新しい家族のかたち。2世代、3世代が1つ屋根の下で暮らす。この状況はビジネスにとってどんな意味があるだろうか? 。ベビー・ブーマーとシニアへのマーケティング、10の強みとその活用方法。条件づけされた行動と深く根付いた義務感をフルに生かすには。裕福な高齢者層のマーケットに成功して圧倒的な成果を上げている企業は、どんな秘密を持ち、実践で活かしているのか…他今や国民の平均寿命からすると、現代人の人生は80年もしくはそれ以上。長生きが前提となった現代のシニアは、固有の消費行動をとると言われています。その1つが「ノスタルジー消費」。世代原体験を懐かしんで生まれる消費形態です。復刻版のCDやDVD、映画のリメイクのヒット等がこれに当てはまるそうです。

分かりやすいところで、このケースに当てはまる商品をご紹介します。
子供の頃、リカちゃん人形で遊んだ世代をターゲットにして発売された玩具メーカーのタカラトミーのブランド「Licca(リカ)」。りかちゃん人形といえば、1967年にその初代人形が発売された当時から人気の子供用着せ替え人形です。この製品を大人向けの嗜好に合わせ、リニューアルしたものが「Licca(リカ)」というブランド。手足を長くスマートにし、そのファッションもオートクチュール風のドレスや今のトレンドを盛り込んだ物にしてあります。
また、56歳設定のおばあちゃん人形も販売しています。タカラトミーによると、「共働き夫婦の増加により、育児を祖父母に協力してもらう世帯が増えつつあり」、「祖母と孫が一緒にりかちゃんで遊ぶ機会があるので、おばあちゃん役の人形を作ってほしい」というお客様の声があり、その発売に繋がったということです。また、「発売の約3年前から商品開発をスタートさせ」、「調査やモニタリングを重ね」たということ。その結果、「祖母世代は孫とリカちゃんで「ごっこ遊び」をすることに抵抗が少なく、むしろ積極的に遊んでくれている」ということが分かったそうです。
(「リカちゃんにおばあちゃん! 調査やモニタリングを重ねて時代を先取り」、ウェブ広告朝日、2013.5.17更新、
http://adv.asahi.com/modules/feature/index.php/content0612.html、2016.12.1引用)
他にも、昭和を舞台にした「ALWAYS 三丁目の夕日64」が2012年に大ヒットしました。
(
http://www.always3.jp/)
これからも、このような「ノスタルジア消費」にあやかった商品が、増えるかもしれません。
約6割の高齢者が若い世代との交流に参加したいと考えている
高齢者の若い世代との交流への参加意向についてみると、参加したいと考える人の割合(「積極的に参加したい」、「できるかぎり参加したい」と回答した人の合計)は平成25(2013)年で59.9%となっており、10年前(15(2003)年)に比べると7.2ポイント増加しています。

出典:内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」(平成25年)
世代間交流を促進するための必要条件は「交流機会の設定」
高齢者が世代間の交流を促進するために必要だと思うことをみると、「交流機会の設定」(31.7%)が最も多く、次いで「高齢者が参加しやすくするための交通機関の整備など」(28.9%)となっています。

出典:内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」(平成25年)
記事作成:2017年11月
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