シニアの趣味ランキングと時間・お金|2025年シニア調査から見る退職後の余暇と潜在需要

2025年シニア調査 第7回

シニアの趣味ランキングと時間・お金

55歳以上1,612名調査。同じ55〜64歳でも、仕事を終えた引退層は、趣味に月51時間以上を使う人が現役層の約1.9倍だった。

30%
引退層
趣味に月51時間以上(趣味がある人ベース)
vs
15%
現役層
趣味に月51時間以上(趣味がある人ベース)
差の正体引退層で多いのは趣味の「時間」で、「お金」ではない。趣味に月1万円以上使う人は、引退層37.3%と、現役層44.8%を下回る。詳しくは本文で解説します。
この差は、性年代・地域別でさらに細かく分かれています 詳細データを相談する →
この記事のポイント
  • シニアライフ総研®「2025年シニア調査」(55歳以上1,612名)で最も多かった現在の趣味は「国内旅行(日帰り・温泉含む)」で40.7%、次いで「テレビ番組を見る」30.7%、「散歩・ウォーキング」28.8%でした。
  • 同じ55〜64歳でも、仕事を終えた「引退層」は趣味に月51時間以上を使う人が29.5%と「現役層」(15.5%)の約1.9倍でしたが、月1万円以上を使う人は37.3%と現役層(44.8%)を下回りました(趣味がある人が母数)。
  • 介護を受けながら自宅で暮らす「居宅介護層」でも「テレビ番組を見る」は29.0%と全体(30.7%)並みで、「国内旅行」(9.0%)とは対照的でした(介護家族による代理回答)。

本記事は、シニアライフ総研独自の「6区分」のうち、同じ55〜64歳の現役層と引退層の比較、および介護が必要な2つの層を中心に扱います。※アラ70/アクティブ層とアラ70/マイペース層は、趣味やコミュニティ参加などの行動の幅も手がかりに分類しているため、本記事では「趣味の数」で両層を比べていません。

1現役層55〜64歳仕事とデジタルの「フル稼働」シニア
2引退層55〜64歳仕事を終えた「スローペース」シニア
3アラ70/アクティブ層65歳以上(健康寿命内)余白を使う「行動拡張」シニア
4アラ70/マイペース層65歳以上(健康寿命内)広げすぎない暮らしの「マイペース」シニア
5居宅介護層65歳以上(健康寿命外)支援が入る「自宅生活」シニア
6施設介護層65歳以上(健康寿命外)環境に委ねる「施設ケア」シニア

6区分それぞれの詳しい定義・データはシニアの大分類で解説しています。

01シニアの趣味ランキングTOP10——1位は国内旅行、上位に並ぶのは「見る・歩く・旅する」

対象:全体(N=1,612)形式:MA(複数回答)
順位回答項目割合
1国内旅行(日帰り・温泉含む)40.7%
2テレビ番組を見る30.7%
3散歩・ウォーキング28.8%
4映画鑑賞27.0%
5スポーツ観戦(テレビ・ラジオにて)26.6%
6音楽鑑賞22.9%
7読書19.8%
8オンライン動画視聴(YouTube、Netflix、Amazon Primeなど)19.2%
9ショッピング16.1%
10園芸・ガーデニング・家庭菜園・盆栽15.0%
(参考)現在趣味で行っていることは、特にない14.6%

55歳以上の現在の趣味で最も多かったのは「国内旅行(日帰り・温泉含む)」で40.7%と、4割を超えました。2位以下には「テレビ番組を見る」「散歩・ウォーキング」「映画鑑賞」「スポーツ観戦(テレビ・ラジオにて)」が続きます。上位10項目を見ると、遠出して楽しむ「旅行」と、自宅や近所で手軽に楽しめる「見る・聴く・歩く」趣味が同時に上位を占めているのが特徴です。

8位の「オンライン動画視聴」(19.2%)は「読書」(19.8%)とほぼ並び、動画配信サービスがシニアの趣味の一角を占めるようになっています。一方、「現在趣味で行っていることは、特にない」は14.6%で、2020年調査(14.2%)とほぼ同じ水準でした。

前回、2020年3月に実施した定期調査の結果は、趣味編 ー 定期調査/2020年版で紹介しています。

💡 プランナーの視点:「趣味」は一つのジャンルではなく、組み合わせで捉える

シニアの趣味は、旅行のような「特別な日の楽しみ」と、テレビ・散歩・動画のような「日常の楽しみ」が併存しています。商品やサービスを「旅行好きのシニア向け」「インドア派のシニア向け」と単純に分けるより、日常の楽しみから特別な体験へ、どうつなげるかという導線で設計すると、接点を増やしやすくなります。

02引退層は趣味の「時間」が長く、「お金」は多くない——現役層との比較

対象:趣味がある人(現役層 n=252、引退層 n=193)形式:SA(単一回答)
引退層
29.5%
現役層
15.5%
全体(参考)
22.2%

趣味に使う時間(1か月あたり、すべての趣味の合計)が「51時間以上」の人の割合(趣味が特にない人を含む各層の全体 n=226/n=283 を母数にしても25.2%と13.8%で、差の傾向は変わりません)

趣味に使う金額(1か月あたり)対象:趣味がある人(現役層 n=252、引退層 n=193)形式:SA(単一回答)
回答項目現役層引退層
月1万円以上44.8%37.3%
月1,000円未満、またはお金をかけていない19.8%28.5%

現役層と引退層は、どちらも55〜64歳で、区分を分ける条件は「現在も就業しているかどうか」です。趣味に使う時間を比べると、月51時間以上(1日あたり平均1.7時間程度以上)の人は引退層で29.5%、現役層で15.5%と、約1.9倍の差がありました。

ところが、趣味に使うお金では、この関係が逆になります。月1万円以上使う人は引退層37.3%に対し現役層44.8%と、むしろ現役層の方が多く、月1,000円未満またはお金をかけていない人は引退層で28.5%に上ります。引退層で多いのは趣味の「時間」であり、「お金」ではない——これが今回のデータの示す姿です。就業の有無は、収入の構成にも関わります(第5回シニアの就労状況とセカンドキャリア編参照)。今回のデータだけで理由までは特定できませんが、時間の差がそのまま支出の差にはつながっていない点は、商品やサービスを設計するうえで重要な手がかりです。

💡 プランナーの視点:「時間はあるが、お金は慎重」な層に何を提案するか

仕事を終えたシニアは「時間とお金に余裕がある」とひとくくりにされがちですが、データが示すのは「趣味に使う時間は長くても、趣味へのお金は多くない」姿です。この層に高額な商品を一度に勧めるより、時間をかけて楽しめること自体に価値を置き、少額から始められて、続けるほど満足が深まる設計(回数券・サブスクなど)の方が、受け入れられやすいと考えられます。

03介護が必要になっても残る趣味——居宅介護層の「テレビ」は全体並み

対象:居宅介護層(n=100)、全体(N=1,612)形式:MA(複数回答)※居宅介護層・施設介護層は介護家族による代理回答
回答項目居宅介護層全体
テレビ番組を見る29.0%30.7%
国内旅行(日帰り・温泉含む)9.0%40.7%
現在趣味で行っていることは、特にない35.0%14.6%

介護を受けながら自宅で暮らす居宅介護層では、全体で1位の「国内旅行」は9.0%にとどまり、「現在趣味で行っていることは、特にない」が35.0%に上ります。遠出や体を動かす趣味が難しくなるのは、健康状態から見て自然な結果です。

一方で、「テレビ番組を見る」は29.0%と、全体(30.7%)とほぼ変わりません。移動を伴う趣味が減っても、自宅で楽しめる趣味は残ることがわかります。介護施設で暮らす施設介護層(n=100)では「特にない」が63.0%と、趣味を持つ人がさらに少なくなります。

旅行のように「できなくなった趣味」を別の形で届ける取り組みもあります。介護施設向けにオンラインで旅の体験を提供する事例は、東京トラベルパートナーズ株式会社「介護施設向け『伊勢神宮』オンラインツアー」(企業から学ぶ)で紹介しています。

💡 プランナーの視点:「できなくなった趣味」に代わる体験を、家族と一緒に設計する

介護が必要な層の趣味は、本人の意欲だけでなく、家族や施設の環境に大きく左右されます。今回の居宅介護層・施設介護層の回答も、介護する家族が答えたものです。この層への提案では、本人に届くかどうかだけでなく、家族や施設スタッフが「一緒に楽しめる」「手間なく取り入れられる」と感じるかを設計の起点にすることが重要です。

04シニアの約半数に「やってみたい趣味」——上位はすべて旅行

対象:全体(N=1,612)形式:MA(複数回答)※「やってみたい趣味」は、今はやっていない趣味についての回答
回答項目割合
国内旅行(日帰り・温泉含む)13.8%
海外旅行9.9%
グルメ・食べ歩き旅行7.2%
豪華列車・クルーズの旅6.7%
歴史・文化遺産巡り(城跡・世界遺産など)6.6%
(参考)やってみたいと思う趣味はない50.2%

「今はやっていないが、いつか・近い将来やってみたい」趣味があると答えた人は、全体の49.8%(「やってみたいと思う趣味はない」50.2%を除いた割合)と、ほぼ半数でした。上位5項目はすべて旅行に関するもので、シニアの「これからやりたいこと」の中心は旅にあることがわかります。

1位の「国内旅行」は、現在の趣味としても1位(40.7%)です。それでも、今は国内旅行をしていないが「いつかやってみたい」と答えた人が全体の13.8%いました。すでに多くのシニアが楽しんでいる国内旅行にも、まだ取り込めていない需要が残っていることになります。

何が「いつか」を「今」に変えるのを妨げているのか——費用、体力への不安、一緒に行く相手など、考えられる要因は複数あります。本調査では、資産(第6回シニアの資産総額と毎月の生活費)や健康状態、普段の交流相手なども聞いており、これらと掛け合わせることで、層ごとの「あと一歩」の正体に迫ることができます。

💡 プランナーの視点:「やってみたい」は、まだ始めていない人の需要

「やってみたい趣味がある」と答えた人は、いわばまだ商品やサービスに出会っていない見込み層です。すでに楽しんでいる人に向けた提案とは別に、始めるきっかけ(初回の体験、少人数での参加、体力に合わせた内容など)を用意することで、新しい利用者を取り込む余地があります。どの壁が大きいのかは層によって異なるため、その見極めが提案の出発点になります。

05まとめ:シニアの余暇は「時間」と「お金」を分けて見る

シニアの趣味は、旅行と、テレビ・散歩・動画のような日常の楽しみが同時に上位を占めていました。そして同じ55〜64歳でも、仕事を終えた引退層は趣味に長い時間を使う人が多い一方、趣味に使うお金は現役層を下回っていました。

「時間がある」ことと「お金を使う」ことは、シニアの中で必ずしも一致しません。さらに、シニアの約半数は、まだ始めていない「やってみたい趣味」を持っています。

どの層が、どれだけの時間とお金を、どんな楽しみに向けようとしているのか。その組み合わせは、全体傾向だけでは見えてきません。

本記事でご紹介したのは、2025年シニア調査で得られたデータの一部です。シニアライフ総研®では、6区分別・性年代別・地域別のクロス集計や、趣味と資産・メディア接触・購買行動などを掛け合わせた詳細分析を通じて、貴社の商材に合ったターゲット設計・商品企画をご支援しています。シニアの趣味に向けた商品づくりの事例は、株式会社ホビージャパン「大人のぬり絵集」(企業から学ぶ)でもご紹介しています。

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Qシニアの趣味と余暇に関するよくある質問

シニアに人気の趣味は何ですか?

シニアライフ総研®「2025年シニア調査」(55歳以上1,612名)で最も多かった現在の趣味は「国内旅行(日帰り・温泉含む)」で40.7%でした。次いで「テレビ番組を見る」30.7%、「散歩・ウォーキング」28.8%、「映画鑑賞」27.0%、「スポーツ観戦(テレビ・ラジオにて)」26.6%となっています。

シニアは趣味に毎月いくら使っていますか?

シニアライフ総研®「2025年シニア調査」で、趣味がある55歳以上(n=1,376)に1か月あたりの趣味の金額をたずねたところ、月1万円以上が39.8%、「趣味にお金はかけていない」が10.9%でした。同じ55〜64歳でも、仕事を続けている現役層では44.8%、仕事を終えた引退層では37.3%が月1万円以上と回答しています。

仕事を引退したシニアは、趣味にどのくらい時間を使っていますか?

シニアライフ総研®「2025年シニア調査」で同じ55〜64歳を比べると、趣味に月51時間以上を使う人は、仕事を終えた引退層で29.5%、仕事を続けている現役層で15.5%と約1.9倍の差がありました(趣味がある人が母数)。一方で、趣味に使うお金は引退層の方が少ない傾向でした。

調査対象55歳以上の男女
調査方法インターネット調査
調査期間2025年3月21日〜3月28日
サンプル数1,612名(本人回答1,412名+介護家族による代理回答200名)
備考趣味に使う時間・金額の割合は、「現在趣味で行っていることは、特にない」を除いた趣味がある人を母数として算出(全体n=1,376)。居宅介護層・施設介護層は介護家族による代理回答
経年比較シニアライフ総研®「2020年シニア調査」(2020年3月10日〜3月17日、55歳以上の男女1,532名)
本調査の読み方同じ設問で6区分などの層を比べ、その差を把握することを目的としています。6区分は就業・健康状態に加え、趣味・コミュニティ参加などの生活実態も手がかりに分類しています。

※本記事では、調査結果の一部を抜粋して紹介しています。

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