第3回 注目のライフスタイル。インフルエンサー更に増幅か

シニア層の注目ライフスタイルも毎年のように変化

シニア消費の軸が毎年のように変化していることは前に述べましたが、彼らの注目されるライフスタイルも毎年のように変化してきています。

具体的にはシニアのとんがり層(2014年)→華麗シニア層(2015年)→求める身近な遊び(2016年)→カッコいいシニア層(2017年)→特技発信シニアインフルエンサー(2018年)→後期高齢自覚層(2019年)と変化しています。彼らの一連の傾向をつなぎ合わせてみますと、彼らのコンセプトは「遊び大好きシニア層」といえそうです。

その背景には、団塊層が青春時代にバイブル書となった雑誌『an・an(マガジンハウス)』、『non-no(集英社)』、『POPEYE(マガジンハウス)』などの「遊び」の影響を受けたのがこの世代であり、時代のうねり(流行現象)を起こし消費をリードしてきた世代でもあります。

そして今や団塊層や後続シニアはスマホを使いこなし、自分の特技自慢を発信しはじめています。そしてその影響力は計り知れない力を持ち始めているようです。 しかし2019年に入るとシニア市場を引っ張ってきた団塊層も後期高齢(75才)が間近かになり、今やマスコミは終活へ視点が移ってしまったようです。

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ライフスタイルの軸は「遊び」。ポスト団塊層によるインフルエンサー更に活発に?

シニアライフ総研のシニア6区分の中に「アラ70/アクティブ層」があります。この層は文字通りアクティブ層なのですが、今回筆者がまとめた「遊び大好きシニア層」は、この「アラ70/アクティブ層」の中の突出したトンガリ層のライフスタイルのような感じがします。彼らの遊びは毎年変化しそうですが、ファッションや趣味探しなどは積極的のようで消費は意欲的といえそうです。そしてスマホ利用も団塊一般層より高いと思われますのでインフルエンサーとしての活躍がますます高まりそうです。

※60才以下の層は新人類層ともいわれ母娘友達、ネアカ志向(フォークよりロック)、アニメなどサブカルチャーの傾向があり、団塊層とは異なるライフスタイルのため切り口が変わりそうです。

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戦略立案時の確認事項

上述のように、トンガリ層である「遊び大好きシニア層」のライフスタイルは年ごとに変化していますが、どの層も消費は意欲的のようです。

加えてスマホの普及に伴いスマホから自分の趣味などを発信し他人へ影響力を与えるインフルエンサーの登場は、企業にとっては自社商品の拡販、クチコミの広がりに期待が持てそうな層ともいえ、彼らの囲い込みは重要になってきています。従って自社のシニア囲い込みにインフルエンサー発掘は大事な販促要素になりそうです。

戦略立案に向けての確認事項は下記になりますが、この作業で新しいライフスタイル発見にはネットやマスコミなどの2次情報から収集し、インフルエンサー影響力は彼らへの調査となります。

  • シニア層の新「ライフスタイル(遊び・特技)」発見。特に自社商品と関連あるライフスタイル層を発見
  • 彼らのインフルエンサー度確認
  • 彼らの消費力、影響力確認

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シニアの注目ライフスタイルトレンド


<2014年>シニアのとんがり層

当時の50~60代は時代のうねりを起こし消費をリードしてきた世代です。”流行っている”、”カッコいい”と聞くと手に入れたくなる波及型消費 (流行の先取り層・イノベーター層→先取り層のカッコいいところを見て追随する層・フォロワー層。この効果で商品が拡販されること) 世代ですが、子育てが終了し、定年を迎え、金銭的余裕もできたため、かつての消費スタイルが戻ってきました。
グルメ、ハイブリッド車、太陽光発電、旅行、美術館、ジーンズ復活、など新しい大人消費が始まりました。

<2015年>華麗シニア層

70代の女性こそが「女子力」消費と言えます。彼女たちの消費は高額消費が盛んであると前回コラムで述べました。彼女たちは働き盛りの50代前後の時バブルを体験し、お金の使い方熟知した人で、これまでの右にならえのファッションではなく、外食はフランス料理、家の食事も和食から洋食へと優雅に変化しています。
また50代の高額消費も増えました(楽天リサーチ調査2015.5)。趣味、ファッション、グルメ、美容、デジタル機器、旅行などに年間300万円以上費やす50代プレミアム層が存在。この層は消費に対して非常にアクティブな人たちです。

<2016年>求める身近な遊び

大幅に消費が削減され、節約を強いられる定年直後の層(65歳以下の世代)。「無理しない暮らし」や「自由な時間」を念頭に新しいライフスタイルを模索し始めます。一方で女性中心の趣味であるヨガ、バレー、フラダンスが男性中年のシニアにも流行し始め、いわゆる「乙女おじさん」が増加しました。

<2017年>カッコいいシニア層

2014年のシニアとんがり層が2017年も大いに存在感を高めています。倹約志向が多い70代や何かと経済が苦しい40代以下の層に比べ、50~60代は「贅沢を楽しむ」余裕と意欲がありました。
昔買いたくても買えなかったアメカジファッション、オーディオ機器、ギターなどを購入し趣味にする人が増えました。
更にはアウトドア派には腕時計、自転車、登山ツアーも人気でした。

<2018年>特技発信シニアインフルエンサー

シニアインフルエンサーが台頭し始めました。自分の趣味や特技をInstagram、YouTubeなどで発信する人が増加しました。ちなみに、Instagramを始めるシニアが増えており、企業とインフルエンサーをマッチングするリデル社の調査ではインスタ利用者のうち50~60代は約2割にもなっているとのことです(日経MJ新聞2018.9.7)。
また不定期発行から月刊誌に格上げされた60代女性ファッション誌『素敵なあの人(宝島社)』は2019年9月に発売され、シニアのカッコいい目線での情報発信が好評中との事です。

<2019年>後期高齢自覚層

70代は人生楽しくをモットーにしつつも早めの終活に関心を持つ傾向にあります。それに伴い、財産管理などの金融機関の販促が動きました。また、度重なる高齢者の自動車事故の報道により9、運転免許返納に戸惑いながらも返納者が増加しました。更に、高齢者の一人暮らしや孤独解消にため、交流の場を作るなど、自身で自覚する人が増えました。

2019年8月


プロフィール

mr.kaneko3

金子良男(かねこ よしお)
1945年生まれ。団塊世代より2歳年上。のんびり、せっかちの性格。
法政大学経営学部卒業。広告会社企画調査局入局(現マーケティング局)。当初は消費者調査・分析で鍛えられ、その後プランニング部へ。クリエイティブやセールスプロモーション、媒体などとの擦り合わせの中で企画作業を推進。担当業種は自動車(10数年、国内、東南アジア各国)、食品、飲料、ラーメン、男性化粧品、競馬など多数の企画を立案。
最後に担当したのが広告会社としての開発部門の責任者。狙いは営業支援、情報発信による新規クライアント獲得及び自社PR。業務は今を捉える消費者研究・開発、商品の流出・流入まで捉えるブランド管理、広告効果予測システム、今を勝つための企業の戦術事例づくりなどなど。
現在退職したものの、”昔の仕事気分を楽しもう”とブログ「「市場攻略のスゴ技発見」を発信し、今なお世の中の動き、企業の動きを分析しています。

WEBサイト:市場攻略のスゴ技発見


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