2020.10.2 大手スポーツクラブによるシニア向けの取り組みとは?
以前の『2020.3.19 シニアは運動不足??』にて、
- シニアは他世代よりも運動している
- シニアの運動No.1はウォーキング
- 70代は50代、60代よりも体力に自信がある!
- 70代は50代、60代よりも運動不足を感じていない!
についてデータを交えてご紹介しました。更に『2020.8.7 フレイルの予防と対策/サルコペニアとは?』では、フレイルの予防には「栄養(食・口腔機能)」「運動」「社会参加」の3つの柱が重要であり、ロコモティブシンドロームの予防にも身体を動かすことが重要ということでした。
そこで、今回は、シニアはどのくらいスポーツクラブを利用しているのか、また大手スポーツクラブはどのようなシニア向けプログラムを展開しているのか、事例をご紹介いたします。
スポーツ施設使用料の支出No.1は60代
お金をかけずに自宅の近くをウォーキングする、家の中でストレッチや体操を行うこともできますが、シニアがスポーツ施設に通うための支出はどのくらいあるのでしょうか。
統計局『消費動向指数』2019年平均の世帯主の年齢階級別1世帯あたりの支出金額を見てみると、1か月あたりのスポーツ施設使用料の支出は全世帯平均で1,146円なのに対して、50代は1,177円、60代1,389円、70歳~は1,130円となっています。50代・60代は平均を上回っており、中でも60代は年代別に見て最も支出額が多くなっています。
このことから、シニアはスポーツ施設への支出が多く、意識が高いことがうかがえます。
年代別スポーツ施設使用料
大手スポーツクラブのシニア向けプログラム
フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニア、介護予防などのキーワードと共にシニアに向け、積極的に運動をするように呼びかけられており、各企業も健康促進のために次々にプログラムを開発する動きが活発化しています。では実際にどのようなシニア向けの運動プログラムがあるのでしょうか。大手フィットネスクラブの事例をご紹介します。
セントラルスポーツ
シニアライフ総研で2016年に取材させていただいたセントラルスポーツ株式会社では、自社で介護予防特化型のデイサービスの運営を行っており、その他デイサービスや有料老人ホーム、サ高住向けに介護予防を目的としたプログラムをインストラクターを派遣したり、体力測定なども行っています。また、施設のスタッフ向けに運動指導ができるよう研修を実施するなど介護従事者や介護施設へのサービスも豊富です。
更に、自治体や公共施設向けにも介護予防プログラムを提供するなど、自社のクラブに留まらず幅広くシニアの介護予防に貢献しています。
シニアマーケット最前線 企業から学ぶ:第20回 セントラルスポーツ株式会社
介護予防・高齢者サポートWEBサイト:https://business.central.co.jp/care/
コナミスポーツ
コナミスポーツクラブでは「OyZ」というブランドで60歳以上向けの運動スクールを展開しています。OYZとはOpen【開く】Youth【若さ】Zip【活力】の頭文字を取ったものだそうです。管理栄養士や健康運動指導士によって行われる身体ケアや栄養指導まで、シニア層の健康促進のためのプログラムが実施されています。
更に、介護施設向けにも「Oyz Light」として要支援および要介護1程度までの方を主な対象にしたエクササイズプログラムを開発~提供しています。
OYZ WEBサイト:https://www.konami.com/sportsclub/oyz/
東急スポーツオアシス
首都圏を中心に展開する東急スポーツオアシスでは、60歳以上の方向けの健康づくりプログラムを提供しています。
健康づくり教室では、高齢期に必要なバランス能力や筋力維持向上に効果的なプログラムを展開しており、60代~90代まで幅広い年齢層の方が利用できるサービスで、将来に向けて体づくりを行いたい方向けの「からだ備えるコース」と、膝や腰などに痛みや不安を抱えている方向けの「からだ整えるコース」の2種類のコースが用意されています。
更に、平成18年からはシニア専用スタジオ「新宿エクササイズルーム」を開設しており、シニア専用の安全な施設や器具とプログラムが用意されてあり、椅子や器具を使った体操や太極拳・ヨガなどを展開しています。
シニア向け健康づくりWEBサイト:https://www.sportsoasis.co.jp/senior/school.html
カーブス
カーブスは女性向けのフィットネスで全国に2,000店舗以上を展開しています。利用者は、60歳以上が40%を締めており、90代の方もいらっしゃるなど、高齢者にも手軽に取り組んでもらえるようなプログラムになっています。
リズムに合わせて、マシンでトレーニングしたり、ストレッチするなど1回30分で終了するプログラムはすべてオリジナルで開発されており、従来の有酸素運動の3倍の脂肪燃焼効果を実現しています。また、短い時間で効果が出るだけではなく、スーパーや商業施設内での展開店舗も多く、事前予約が不要で待ち時間がないため、”ついで通い”ができるため定期的に運動できるシニア女性に人気のフィットネスとなっています。
カーブスWEBサイト:https://www.curves.co.jp/
いかがだったでしょうか?時間に余裕があったり、将来の健康が不安なシニア、また介護予防を目的としたプログラムなど、各企業の取り組みは様々のようですね。