2020.8.21 ロコモティブシンドロームとは?フレイルとサルコペニアとの違いとは?

以前の記事『2020.7.31 フレイルとは?』『2020.8.7 フレイルの予防と対策/サルコペニアとは?』にて、「フレイル」と「サルコペニア」についてご紹介しました。

「フレイル」、「サルコペニア」だけではなく、要介護の危険因子として「ロコモティブシンドローム」というものもあります。横文字が多く分かりづらいため、今回は「ロコモティブシンドローム」とは何なのか?についてご紹介し、「フレイル」、「サルコペニア」との違いをご紹介します。

 

 

メタボリックシンドロームとは

 


ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは

ロコモティブシンドローム(略称「ロコモ」、和名「運動器症候群」)は、運動器の障害によって移動機能の低下をきたした状態のことです。加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりになってしまったり、そのリスクの高い状態を表す言葉です。

Locomotive(ロコモティブ)は「運動の」という意味で、機関車という意味もあり、能動的な意味合いを持つ言葉です。運動器は広く人の健康の根幹であるという考えを背景として、年をとることに否定的なニュアンスを持ち込まないことが大事であると考え、平成19年に日本整形外科学会が提唱した言葉です。

平成12年に介護保険制度が施行されて以来、要介護認定者数は増え続けており、要介護になる原因の4位が「骨折・転倒」で12.5%、5位が「関節疾患」10.8%となっています。特に女性は「骨折・転倒」16.1%、「関節疾患」14.1%となっており、男性よりも高くなっています。

そのことから、男性はメタボ、女性はロコモとも言われており注目されています。

 

介護が必要となった原因ランキング

出典:厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」を加工して作成

出典:厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」を加工して作成

 

フレイル、サルコペニア、ロコモの違いとは?

以前の記事でご紹介しましたが、この3つは同じような意味にも思えますので整理します。

フレイルとは

まず、フレイルとは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、身体的問題だけでなく、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念で、「身体的」フレイル、「精神的」フレイル、「社会的」フレイルの3つの種類あります。この中でも特に「身体的」フレイルはサルコペニアやロコモティブシンドロームの影響を大きく受けると言われています。

つまり、フレイルは様々な側面を包含する広範な概念となります。

>>>「フレイル」について詳しく知りたい方はこちら

 

ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドロームは、上述の通りですが、身体的フレイルの中でも骨・関節・軟骨・椎間板・筋肉の運動器のいずれか、または複数に障害が起こり「立つ」、「歩く」といった機能が低下している状態のことです。

 

サルコペニアとは

サルコペニアとは身体的フレイルに影響を及ぼす病態の一つであり、ロコモティブシンドロームの基礎疾患の中でも筋肉の量が減少していく老化現象のことです。立ち上がりや歩行がだんだんと億劫になり、放置すると歩行困難や転倒の原因にもなってしまいます。

>>>「サルコペニア」について詳しく知りたい方はこちら


 フレイル・ロコモ・サルコペニアとの関係

フレイル・サルコペニア・ロコモとの関係

 

ロコモティブシンドロームを防ぐ商品やサービス、調査データも多数あります。

 

その他、最新ニュースについては、シニアライフ総研特選ニュースをご覧ください!

 

>>>シニアライフ総研特選ニュース

【参考・引用】
・公益社団法人 日本整形外科学会WEBサイト
・一般社団法人 日本老年医学学会WEBサイト

 


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