いよいよ連休! ミドル・シニア世代の“お出かけ”への意欲・意識の実態を調査

「連休のお出かけ予定あり」は約3割。 お出かけ時に心がけていること、第1位は? “元気にお出かけを楽しむ”ためにできることを整形外科医が解説

【調査概要】

調査主体 :サントリーウエルネス株式会社
調査名 :ミドル・シニア世代の“お出かけ不安”に関する実態調査
対象者 :全国に住む40〜70代の男女 1,000名(性別・年代 均等割付)
調査期間 :2025年4月9日(水)~2025年4月10日(木)
調査方法 :インターネットリサーチ

【調査結果サマリー】
・今年の連休にお出かけを予定している人は約3割。お出かけ先の最多は国内旅行。
・お出かけをするにあたり、長時間、長距離を元気に転倒せず歩けるかが気がかりな人が多数。 お出かけ時に心がけることでは「歩きやすい、転びにくい靴を選ぶ」が最多。
・いつまでも元気で外出できるよう、ほぼ半数が軽い運動(ストレッチ、スクワット、ウォーキング)を習慣としている。
・約4割が食生活や栄養も意識している。摂取意欲が高い栄養素はたんぱく質、カルシウム、水分、 ビタミンD、グルコサミンで、抗酸化作用を持つケルセチンやアンセリン摂取への意識は低い。

*本調査内容を利用する場合は、出典元として「サントリーウエルネス調べ」と記載ください。

【監修者コメントのポイント】

筋力の低下を防ぐためには、若いうちから適切な栄養と運動の習慣を取り入れることが重要です。タンパク質をはじめとする栄養素が筋線維の修復に使われ、筋繊維が太くなることで筋力が向上します。また、抗酸化作用のあるケルセチン・アンセリンも筋肉を修復し、維持するうえで重要な役割を果たします。

【調査結果の詳細】

■今年の連休にお出かけ予定ありは約3割、人気は国内旅行

今年の連休にお出かけを予定している人は1000人中約3割の289名、出かける予定のない人は711名と、2025年4月10日時点で、7割強の人が出かける予定がないと回答しています。(図1)

お出かけ先としては、「国内旅行」(218名)で最多、「近所で食事や買い物」(139名)、「海外旅行」(12名)、の順で、その他の回答にはゴルフ、近所の温泉、帰省、キャンプなどがあげられました。(図2)

■長時間・長距離を元気に歩けるかが気がかりトップ2

お出かけをするにあたり気がかりなことについては、「長時間元気に歩けるかどうか心配」(394名)が最多で「長距離を元気に歩けるかどうか心配」(352名)、「ひざが痛まないか心配」(266名)、「転倒しないか心配」(110名)の順でした。その他の回答として、「タコやウオノメが気になる」(70歳・女性)、「人工関節の具合が心配」(60歳)と、具体的な脚の懸念事項の回答もありました。

■ほぼ半数が軽い運動(ストレッチ、スクワット、ウォーキング)を習慣にしている

「いつまでも元気で外出できるように普段からしていること」をたずねると、ほぼ半数が「軽い運動(ストレッチ、スクワット、ウォーキング習慣)で身体が固まらないようにしておく」(488名)、「転ばないように気を付ける(慎重に歩く/靴や服装に気を付ける)」(446名)といった対策をしていることがわかりました。次いで、「食生活・栄養に気を付ける」(381名)と、食生活や栄養に関しても高い意識を持っている人が多いことがわかります。(図4)

■元気に歩くために意識している栄養素はたんぱく質、カルシウム。

ケルセチンなど抗酸化成分への意識は低い

具体的に意識している栄養素(サプリや食事で摂るもの)については、「たんぱく質」(494名)が最多、次いで「カルシウム」(337名)、「水分」(292名)、「ビタミンD」(156名)、「グルコサミン」(148名)、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」(116名)、「コンドロイチン」(115名)、「EPA(エイコサペンタエン酸)」(107名)の順でした。                                      
対し、高い抗酸化作用を持つ「ケルセチン」(18名)、「アンセリン」(15名)を意識している人はまだまだ少ないようです。(図5)

監修者プロフィール

整形外科医 伊藤 薫子(いとう かおるこ)先生

女性のための整形外科「かおるこHappyクリニック」院長。2002年、東京女子医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室に入局。歩行解析の研究に従事。2021年7月に東京・帝国ホテル内に「女性のための整形外科 かおるこHappyクリニック」開院。「いくつになっても背筋を伸ばしてハイヒール」がモットー。

【監修者コメント全体】

加齢とともに衰える脚力…男女ともに“筋肉維持”を!

年齢とともに多くの人が「以前より歩くのが遅くなった」「階段の昇り降りがつらくなった」と感じるようになることが多いようです。これは、加齢に伴い筋肉量や筋力が低下することに加え、神経系の衰え、ホルモンの変化、骨密度の低下といった複数の要因が関係しているためです。特に脚の筋肉は身体の中でも大きく、その衰えは実感しやすいものです。

まず、意識しておきたいのは筋肉の維持です。加齢とともに、とりわけ脚の大きな筋肉である大腿四頭筋やハムストリング、ふくらはぎの筋肉が萎縮しやすくなります。これにより歩く速度が落ちたり、立ち上がる動作がスムーズにできなくなります。また、筋肉を動かす神経細胞も加齢とともに減少し、脳から筋肉への指令が伝わりにくくなることで、俊敏に動けなくなったり、バランスを崩しやすくなったりします。加えて、骨密度も年齢とともに低下し、骨がもろくなることで転倒や骨折のリスクが高まります。骨折を恐れて運動を控えるようになると、さらに筋力が低下するという悪循環に陥ることも。

男性の場合は筋肉の合成を促す働きを持つテストステロン(男性ホルモン)が40代以降から徐々に減少し、筋肉量の低下が始まります。特に瞬発力を生み出す速筋が衰えやすくなるため、早歩きや階段を駆け上がる動作が難しくなります。

筋肉量が減る一方で内臓脂肪は増えやすくなるため、体の重さを支える脚の負担が大きくなり、運動不足にもつながります。若い頃に運動習慣があったとしても運動を継続しなければ60代以降に急激な筋力低下を経験することが少なくありません。

女性の場合、50歳前後の閉経の時期を境にエストロゲン(女性ホルモン)が急激に減少します。エストロゲンには筋肉や骨の健康を維持する働きがあり、その分泌が減ることで骨密度が急低下し、骨折のリスクが高まります。

エストロゲンの減少は筋肉の持久力を支える遅筋(長時間、少しずつ力を使って動かす筋肉)の低下にも影響を及ぼし、疲れやすさや運動の継続がしづらくなるという変化も起こります。加齢とともに体脂肪が増えると相対的な筋肉量が減り、歩行速度の低下やつまずきやすさにつながります。

筋力の低下を防ぐためには、適切な栄養と運動の習慣を取り入れることが重要です。加齢により脚力の衰えは加速しますが、50歳を待たず、より若いうちから対策することで、その進行を遅らせることもでき、高齢になってからの脚力維持に繋がります。

歩ける脚を維持するために・・・“からだを作り、酸化させない”という意識で栄養を

強くしなやかな筋肉を作ることも、保つことも重要

タンパク質をはじめとする栄養素が筋線維の修復に使われ、筋繊維が太くなることで筋力が向上します。さらに、筋肉は常に合成と分解を繰り返し、適切な運動と栄養摂取を続けることで、数か月ごとに新しい筋肉へと生まれ変わります。また、抗酸化作用のあるケルセチン・アンセリンも筋肉を修復し、維持するうえで重要な役割を果たします。

●ケルセチン

調査ではまだ意識している人はほとんどいないことがわかりましたが、実はケルセチンというのは脚に重要な成分です。抗酸化作用と抗炎症作用が高いフラボノイドで、筋肉細胞の酸化ダメージを抑え、筋肉細胞のミトコンドリア機能を向上させます。玉ねぎ、りんご、ブロッコリー、緑茶などに含まれており、筋肉の分解を抑えることで、加齢による筋力低下を防ぐことに役立つ可能性があることがわかってきました。運動によって発生する活性酸素は過剰になると筋肉の疲労や損傷を引き起こすことがありますが、ケルセチンに代表される抗酸化物質を摂取することで、酸化ストレスを抑え、筋肉の修復をスムーズにできるようになるといわれます。野菜や果物などが筋力維持にプラスなのは意外なのではないでしょうか?

●アンセリン

魚の筋肉に多く含まれるペプチドで、抗酸化作用により運動後の疲労を軽減し、ダメージを受けた筋肉の回復を促進することが知られ、カツオ、マグロ、サケなどの魚から摂取することができます。加齢とともに弱った筋肉の運動後の回復力向上におすすめです。

簡単にできる効果的な運動

●ウォーキング

心肺機能の向上と脚全体の筋肉刺激に最適なのは、有酸素運動であるウォーキング。ペースや歩幅を調整することで、速筋と遅筋の両方がバランスよく使われ、長時間続けられます。早歩きをすると、踵に適度な刺激が与えられ、骨のなかの骨芽細胞に信号が送られ、骨の強化に効果的です。

日光浴も兼ねられると、骨にカルシウムを定着させてくれるビタミンDが体内で合成されて一挙両得。1日15分日光を浴びると、1日に必要なビタミンDの8割を生成できると言われます。日焼け対策の日焼け止めも、ビタミンDの生成を妨げないようなものを使用するのもおすすめ。

●階段昇降運動

日常生活で自然に取り入れやすい運動で、特にふくらはぎや大腿筋を重点的に鍛えることができます。階段を利用した昇降は、筋力強化だけでなくバランス感覚の向上にもつながり、躓きづらい脚づくりにも役立ちます。

●ストレッチ要素のある、筋肉をほぐす運動

筋肉や関節を伸ばす動きのある運動は、血行が促進されて筋肉の緊張を和らげ、筋肉や関節の柔軟性を向上させ、可動域がひろがるので怪我の予防、疲労回復にも大きな効果を発揮します。

水泳やヨガなども、心肺機能や筋力を高めてくれ、筋肉のしなやかさを取り戻すことにつながります。

これらの栄養素と運動を、日々の生活に取り入れることで、筋肉、関節、骨をしっかりとサポートし、いつまでも自分の脚で元気に歩き続ける体づくりを目指しましょう。


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150ページの文庫本で、人生の記憶を綴る。特別キャンペーン価格30万円で受付中。

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スタジオサイタマ合同会社(本社:東京都目黒区、代表:加藤千晃)はこのたび、自伝制作サービス「伝々文庫(でんでんぶんこ)」の提供を開始いたしました。
本サービスは、主に昭和という時代を生き抜いた方々を対象に、一人ひとりの人生を丁寧にインタビューし、その記憶を150ページの自分史としてまとめるものです。
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専任の聞き手が時間をかけてインタビューを行い、構成・校正・デザインまで一貫して編集。完成した作品は150ページの文庫本として製本し、希望者には電子書籍としてのご提供も可能です。
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『伝々文庫』は、個人の語りを記録し社会に共有することを通じて、4つの社会的価値を提供します。

・記憶の空白への対抗
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その経済的側面や大衆文化の記録は数多く残されている一方で、個人の体験に根差した生活の記録を残す手段は乏しいのが現状です。『伝々文庫』は、こうした“語られなかった日常”を丁寧に掘り起こし、未来に手渡す取り組みです。

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SNSなどの普及によって発信が加速する一方で、「誰かの語りに耳を傾ける」「記録として残す」といった文化は失われつつあります。伝々文庫は、語り手と聞き手が丁寧に時間を共有するプロセスを通じて、世代間の物語をつなぎ直す文化的装置となります。

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日々の忙しさや世代間のギャップにより、親子でじっくり語り合う機会は減少しています。『伝々文庫』は、自分史を通して「知らなかった家族の一面」に触れるきっかけを生み出し、家族の対話と絆を深める機会を提供します。

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お問い合わせフォーム:https://www.dendenbunko.com/

■ 伝々文庫 編集長 メッセージ

遠い過去と遠い未来を繋げるために
-伝々文庫発刊によせて-

東京湾を遡る水路を眺めていると、ふと護岸に染みついた錆の跡に気づく。それは通り抜けてきた時間の重みを静かに物語っているようでした。平成のはじめに生まれた私は、昭和の空気を直接は知りません。それでもどこかで聞いた工場の汽笛の音や、写真の中で淡く光る商店街のネオンの明かりは、水路に沿って漂ってくる潮の匂いのように、なぜか今も心の奥で息づいているのです。

昭和後期、日本の社会は活気に満ちていたと聞きます。令和を生きるいま、私たちは人口減少や世界の不安定さのなかで、どこへ向かうべきかの足場を見失いつつあるようにも思います。民俗学者・宮本常一がかつて「生活の細部を言葉に留めることが、その時代を映す鏡になる」と語り、宮本を支えた渋沢敬三が「見落とされる”傍流”の中にこそ本質がある」と記したように、時代を動かしてきたのは年表に残る大きな出来事ではなく、一人ひとりの暮らしの手触りだったのではないでしょうか。

たとえば、初めて買ったラジオのつまみに触れた感触。夕飯の食卓に立ちのぼった湯気。授業中にメモして交換したノートの端。帰り道に交わした「また明日」のひとこと。そんな断片の積み重ねが、いつしか日本という社会のかたちをつくってきた。そのことを、今もう一度、私たちは信じ直してもいいのではないかと思うのです。

でんでん文庫は、そうしたひとつひとつの記憶を、150ページの文庫本というかたちに束ねていく場所です。雑談のようなインタビューで思い出の糸をゆっくりたどり、文章に整え、装丁まで含めて一冊を仕上げます。それはご本人にとっては歩みを整理する時間になり、ご家族にとっては知らなかった情景に出会うきっかけになります。さらにいえば、社会にとって、その時代の手触りを知ることが、停滞気味な時代に差し込む新しい光のようなものになるかもしれません。

「語るほどのことじゃない」と思われる方こそ、ぜひ一度聞かせていただきたいのです。昭和の熱を肌で感じ、平成を駆け抜け、いま令和の社会を見つめるあなたの歩みは、未来を考えるために欠かせないひとつの地図になると、私たちは信じています。耳を澄ませ、言葉を整え、あなたの物語を紙の上にそっと記していく。そのための準備は、すでにできています。

編集長 添野友洋

■スタジオサイタマ合同会社について

スタジオサイタマ合同会社は、「青春取り戻しカンパニー」として、好奇心と記録欲を原動力に、世の中で見過ごされがちな文化や記憶の価値化に取り組んでいます。

私たちは、不合理や無意味とされがちなモノ・コトの中にこそ、人間らしい熱狂や喜びが宿ると信じ、それを掘り起こし、形にする活動を続けてきました。

主なプロジェクトである「WAZAO-IPPON」では、日本各地に残る伝統釣具・和竿を収集・記録・再編集し、語られてこなかった職人技や地域文化を現代に再提示する“文化誌づくり”を実践しています。

釣具の世界でも、記録が残されなかったがゆえに消えてしまった技術や記憶が少なくありません。

そうした全国各地の文化を知る経験を通じて、語られなかった一人ひとりの語りを本として遺す『伝々文庫』というサービスを立ち上げるに至りました。

それは、暮らしの記憶に眠る本質的な魅力を見つけ出し、未来へと手渡す、新たな試みだと考えています。

<本件に関するお問い合わせ>
スタジオサイタマ合同会社
伝々文庫 編集室
mail:info@studiosaitama.com


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■ネスレ ヘルスサイエンスについて

ネスレ ヘルスサイエンスは、2011年食品飲料業界のリーディングカンパニーである「ネスレ」によって創設された、先進的なヘルスサイエンスカンパニーです。世界140カ国以上で、12,000人以上の社員が在籍し、消費者向け健康製品、医療介護施設向け栄養補助製品、科学的知見を取り入れたビタミンやサプリメントなど、幅広いブランドを展開しています。「高い付加価値」と「グローバルな研究開発力」を強みとし、「栄養の力」を基軸に、総合的に健康をサポートする提案をしています。

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ネスレ ヘルスサイエンスは、“Empowering healthier lives through nutrition(栄養を通じて、人々のより健康的な生活を支援すること)”をパーパスとしています。消費者、医療・介護現場が願う健康的な生活のため、高品質で科学的根拠に基づく栄養ソリューションを顧客に提供しています。


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 資生堂ジャパン株式会社は、美馬市と「美と健康のまちづくり」に関する連携協定を2025年4月10日(木)に締結しました。本協定は両者が相互に連携及び協力を行い、市民のみなさんが人生100年時代の後半期において積極的に社会に参加し、美しく健康でいきいきと活躍できるよう、「美」を通じた健康づくりや介護予防に取り組むことを目的とするものです。

《背景》

 資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を経営戦略の柱と位置づけ、多様な美の価値観の啓発や、ジェンダー平等のための教育支援などを積極的に実践しています。

 資生堂の研究では、とりわけ高齢者が化粧をすることによって表情が明るくなるだけでなく、「認知症の周辺症状が緩和される」「要介護者のADL※1 が向上する」といった効果が期待でき、高齢者のQOL(クオリティーオブライフ=生活の質)の向上に役立つこともわかってきました。

 資生堂では、化粧のちからで介護予防をする「いきいき美容教室」や「美容で健康サポーター講座」など、QOL向上をサポートする「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」を積極的に実施し、誰もが自分らしくいきいきと過ごせる社会の実現を目指しています。

※1 ADL(Activities of Daily Living):食事、排泄、着脱衣、入浴、移動など、日常の生活を送るために必要な基本動作

《連携協定の目的》

 この度、当社と連携協定の締結に至った美馬市は、令和4年度から「美と健康のまちづくり」の一環で、「美」を通じた外出促進による高齢者の社会参加を促す事業を積極的に展開しています。本協定を通じ、当社と美馬市の両者が連携し、「いきいき美容教室」の定期開催や社会福祉協議会職員が当社の「化粧療法※2」講座を受講し、市内各地で開催している「ふれあい・いきいきサロン」等の活動に「化粧療法※2」を取り入れ、高齢者の健康寿命延伸に取り組むなど、「美」を通じた健康づくりや介護予防に取り組むことで、市民のみなさんのより一層の健康的な生活の実現を目指します。

【資生堂ジャパン株式会社と美馬市との連携・協力事項】

(1)高齢者等の健康づくりに関すること

(2)高齢者等の介護予防及びフレイル※3予防に関すること

(3)福祉美容の推進に関すること

(4)その他本協定の目的を達成するために必要な事項に関すること

※2 スキンケアやメイクなど化粧行為を通じて心身機能やQOLの維持向上など健康寿命の延伸をめざす非薬物療法です。

※3 人は年を重ねると段々と体の力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってきます。このように心と体の働きが弱くなり、要介護になる手前の状態をフレイル(虚弱)と呼びます。

《地方自治体との共同取り組みについて》

 山形市との「健康の保持・増進に関する協定」(2023年8月締結)、札幌市との「さっぽろウェルネスパートナー協定」(2024年9月締結)、横浜市との「介護予防事業に関する協定」(2025年3月締結)など、当社はこれまでも地方自治体の社会課題解決に向けて協働で取り組みを実施してきました。今後も引き続き、本業である「美の力」を通じた活動により、すべての人々が自分らしく暮らせる包摂性豊かな社会づくりに貢献していきます。


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介護業界への提案を行い、現場の負荷軽減を目指したDX化を支援

 株式会社サイエンスアーツ(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:平岡 秀一、以下「サイエンスアーツ」)が提供するフロントラインワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」は、パラマウントベッド株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長執行役員:木村 友彦、以下「パラマウントベッド」)が提供する「眠りCONNECT」と連携したことをお知らせします。

 今後、「眠りCONNECT」に蓄積されるライフログデータ、Buddycomに蓄積される音声データを活用し介護のデジタル化のお役に立てるよう協業してまいります。

■Buddycomと眠りCONNECT連携の背景

 2040年代前半に日本の65歳以上の高齢者人口がピークを迎えると予測される中、介護ニーズの高まりや、介護業界の深刻な人材不足から介護現場における業務効率化は喫緊の課題となっています。Buddycomは介護業界での負担を軽減するツールとして、ICT補助金対象となっていることも追い風に、介護・福祉事業者様でのユーザー数が前年比+68%(2024年8月期)と導入が進んでおります。

 介護事業者様では、インカムのほかに、介護記録システムや見守り機器を活用しております。中でもパラマウントベッドでは「眠りCONNECT」のリアルタイムモニターからの通知を自動的に音声で職員へ一斉通知したいというニーズがあり、今回の連携に至りました。

■連携の内容

 「眠りCONNECT」から通知される情報をBuddycomの指定グループへ一斉に音声通知できます。通知内容は部屋名・名前(姓/名)など、項目ごとに通知する/通知しないを選択することができ、施設様のご要望に応じた設定が可能です。

 本連携により、施設で働く職員様はPCやスマートフォンでリアルタイムモニターを見なくても、通知内容をリアルタイムに音声で把握することができ、ケア品質のさらなる向上が期待できます。Buddycomアプリに通知が来ることで、通知に対しどのように対応を行うのかの指示出し、対応完了報告なども音声で完結するため、情報共有を離れた場所でも一気通貫で実現します。またBuddycomの音声テキスト化機能を利用することで、職員様の会話内容も文字で記録され、通知発生から対応完了までの一連の流れを見える化できます。これらのデータは将来的に、業務改善の材料となる貴重な現場の音声資産になると考えております。

■今後の展開

 今後、「眠りCONNECT」に蓄積されるライフログデータ、Buddycomに蓄積される音声データを活用し介護のデジタル化に貢献してまいります。また、Buddycomは2024年12月のアップデートで外国人介護職員向けのトランシーバー翻訳機能に5言語を追加し、合計23言語が利用可能になりました。全ての介護職員様が情報を等しく受け取れるように今後も高品質なサービス提供を行ってまいります。

■エンドースメント

パラマウントベッド株式会社 デジタルソリューション事業部 部長 深澤浩二氏
パラマウントベッドでは、介護施設の現場におけるケアの質向上、業務負担軽減や生産性向上に貢献し、介護現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を支援したいと考えて、2023年10月に眠りCONNECTをリリースいたしました。
 眠りCONNECTとしても、利用者様の現在の状態の経過時間表示などの機能を追加したことに加えて、連携機器/システムを増やしていくことにも注力しています。中でも状態変化をインカムの音声で通知することは、介護職員様の耳に直接お知らせできて、かつ次のアクションも取りやすくなり、介護職員様の業務の効率化につなげられると考えております。

■眠りCONNECTとは  (https://www.paramount.co.jp/connect)

眠りCONNECTとは、睡眠計測センサーで測定した情報を用いて利用者様の見守りを支援する介護施設向けのシステムです。ベッド上の利用者様の状態を端末でリアルタイムにモニタリングできます。あらかじめ設定することで状態(覚醒、起き上がり、離床など)が変化したときなどに通知が届きます。利用者様の状態に合わせたケア・見守りが可能になるとともに、スタッフの業務効率化にも貢献します。

■Buddycomとは  (https://buddycom.net/)       

フロントラインワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」は、インターネット通信網(4G、5G、Wi-Fi)を利用して、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすることで、トランシーバーや無線機のように複数人と同時コミュニケーションを可能にするサービスです。音声、テキストチャット、動画、位置情報(IoT)に加え、AIを利用したデジタルアシスタントでのコミュニケーションが可能です。

 利用実績は、航空、鉄道、建設、福祉施設、流通など様々な業種にわたり、コミュニケーション手段としての活用がされています。

パラマウントベッド株式会社 について

1947年(昭和22年)に創業。病院用ベッドの専業メーカーとしてスタートし、その後、高齢化の進展を背景として、高齢者施設や在宅介護分野にも事業領域を拡大しながら、見守り支援システムをはじめとするさまざまな製品・サービスを開発しております。             

■株式会社サイエンスアーツ について

サイエンスアーツは、「フロントラインワーカーに未来のDXを提供し、明るく笑顔で働ける社会の力となる」ことをミッションとして掲げ、フロントラインワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の開発・販売を行っております。2021年に東証マザーズに上場(現在はグロースに移行)し、現在では4年連続シェアNo.1※を獲得しました。今後も、スタッフ間コミュニケーションに留まらず、スタッフとお客様、スタッフとAIを美しくつなげることで、フロントラインワーカーが明るく笑顔で働ける社会を目指してまいります。

※音声(映像)コミュニケーションツール出荷金額・社数(ノンデスクワーカー向け)デロイト トーマツ ミック経済研究所「デスクレス SaaS 市場の実態と展望 2024 年度版」


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高齢者の「歩き」をサポートするスニーカー
「ライフステップ」の開発に協力

ルネサンス 元氣ジム上中里 理学療法士 小林貴司様

ビジネスアワード2024 プロダクト賞を受賞した株式会社ルネサンスの「高齢者の『歩き』をサポートするスニーカー『ライフステップ』の開発に協力」。今回は株式会社ルネサンスの小林様に、開発の経緯や今後の展望などについてお話をうかがいました。

2025年4月取材

Q. 「ライフステップ」の開発に協力されることになった経緯をお聞かせください。

当社は2021年より、当社が運営するリハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」において、ご利用者の足のサイズや幅などを計測し、その結果に応じて徳武産業が開発した、足や歩行に悩みのある方向けの「あゆみシューズ」の対面販売を実施してきました。そのような経緯を踏まえ、屋外での歩行を充実させる機能を盛り込んだ介護シューズを開発したいという徳武産業の思いを受け、当社のスタッフおよび利用者様がモニターとして体験し、これまで以上に歩行をサポートするための新たなソリューションを付加した「ライフステップ」の開発に協力することになりました。「ライフステップ」は「自分の足で街へ出かけたい」といったアクティブな方を対象とした靴であり、まさに元氣ジムをご利用いただいている方の希望と合致します。私たちにとってもこのような靴が世に出るのはうれしいことですし、徳武産業にとっても高齢者の方と直接関わる機会が多い私たち現場の声が靴の開発に活かせるといった、双方にとって価値のある取り組みとなりました。

あゆみシューズ公式通販サイトトップページ https://store.tokutake.co.jp/
ライフステップ商品ページ https://store.tokutake.co.jp/c/gr1/gr2/1606

元氣ジムはリハビリの専門家である理学療法士等の機能訓練指導員と運動の専門家である運動指導員が常駐し、医学的視点からも安全で効果的なプログラムを提供するデイサービスです。当社が長年培ってきたスポーツクラブのノウハウを活かし、音楽に合わせて体を動かしたり、一人ひとりの身体機能に合わせたマシンの使い方を提案するなど、まるでパーソナルトレーナーのようにスタッフが丁寧に指導することが特徴で、デイサービスでありながらジムのような雰囲気を心がけています。元氣ジムという名称も、介護施設に抵抗のある方に「ジムに行く」という意識を持っていただければ、という思いからつけられました。


Q.  具体的な協力内容を教えてください。

元氣ジムの6施設から2名ずつの計12名の方がモニターとして、日常生活で2週間履いていただきました。モニターの条件は、足のサイズが提供されたシューズのサイズに合っていること、買い物や散歩によく行かれるという、比較的アクティブな方です。モニターの方には野外歩行時の履き心地、歩きやすさ、安定感などをフィードバックしていただきました。また、元氣ジムでは各店舗に理学療法士が各1名配属されているので、その理学療法士でプロジェクトを組み、歩行時の姿勢や動作の変化など、専門的な知見を活かしたアドバイスをいたしました。



Q. 「あゆみシューズ」のほかの商品と「ライフステップ」の相違点はどんなところでしょう。

「あゆみシューズ」の多くは足のトラブルを抱えた方やリハビリが必要な方、いわば「靴を履くのが大変だった方」「歩くのが大変だった方」を対象としており、そのような方の歩行をサポートするために開発されました。そのため、足をやさしく包み込むような設計が特徴で、病院や施設などの屋内で利用される方が多数を占めていました。
一方、「ライフステップ」のコンセプトは「歩くことをあきらめない」。さらに「履く、歩く、その先へ」を目指しており、自分の足でしっかり歩き続けることを目的に開発された靴です。日常生活での歩行をより安定させ、転倒リスクを軽減する工夫などといった従来の「あゆみシューズ」の機能に加え、クッション性やグリップ力、フィット感、軽量で動きやすいという点をより追求しています。
歩行というのは人のQOL(quality of life:生活の質)に大きな影響を与えます。歩行ができて初めて「○○がしたい」という具体的な目標ができたり、そのために頑張れたりします。そういう意味からも「ライフステップ」という商品名がついています。

Q.  「ライフステップ」利用者からはどのような声や反応がありますか。

「履き心地がよく歩きやすい」、「普段より遠くまで出かけることができた」、「孫と一緒に買い物に行けた」、さらには「あまり多く歩くつもりがない日でも、思わずたくさん歩いてしまうような素敵な靴」という声もあり、私たちも大変うれしく思いました。また、「『ライフステップ』を履いて日本一周の船旅に行くことを目標にしました」という方もいらっしゃいました。散歩や買い物が随分楽になったという声も多数いただいています。

Q.  「ライフステップ」の開発に協力したことにより、貴社にはどのような成果があったのでしょう。

私たちの満足が利用者様の満足に直結する、つまりは利用者様の満足が私たちの満足につながります。そのため、このような声を聞かせていただけるのは私たちの喜びですし、ひいては当社の成果につながっていると感じます。
元氣ジムにも、最初はほとんど歩けないような状態の方がいらっしゃいます。ふらついてしまうから外に出られない、動かないからますます足が弱ってしまうという悪循環です。そういう方がここで体を動かし、次第に機能が回復したタイミングで「ライフステップ」をご提案すると、「外に行く自信がついた」と言っていただけるのは大きな成果だと感じています。思うように歩けず気落ちされている通所初期の頃と比べて表情も明るくなり、見違えるように元気な様子を見られるのは、スタッフ一同の高いモチベーションにもつながっています。まさに当社の「生きがい創造企業としてお客様に健康で快適なライフスタイルを提案する」という企業理念を体現する事例ともいえます。

Q.  靴と健康の関係について、ご意見をお聞かせください。

立位でいるとき、唯一地面に接地しているのが足部なので、大事な部分であることは言うまでもありません。歩く、走る、しゃがむ、立つといった基本的な動作を支える上でも足部はきわめて重要な役目を果たしていますので、その足部を守る靴も非常に大事なものです。足部にトラブルを抱えて歩けなくなってしまった方が外に出歩かなくなると活動量が減り、活動量が減れば食欲は減退し体重は減少してしまいます。また、外に出なくなると他者と関わる機会も減るため認知症のリスクが高まってしまいます。靴というのは、それほど健康に密接に関係しているものです。

Q.  貴社における「シニア」の定義を教えてください。

シニアとは、人生の大先輩の方々です。特に元氣ジムのスタッフが接するシニアの方は、「健康や生活の質を向上させるためにサポートが必要な方々」です。当社は「人生100年時代を豊かにする健康ソリューションカンパニー」を長期ビジョンに掲げており、年齢に関係なく自分らしく生きがいをもって生活できるように、お手伝いをしたいと思っています。特に現場で日々高齢者の方々に接している私たちからすると、より健康であることを目指し、生活の質を上げるために、課題を抱えながらも熱心に取り組む「シニア」の方々からは元気をいただいています。

Q.  貴社のシニアターゲティング市場における今後の抱負をお願いします。

人生100年時代を迎える中で、シニアの方々のニーズはますます多様化していくことでしょう。身体的なサポートだけでなくメンタル面もそうですし、生きがいにつながることが重要な要素になってくるのではないかと思います。そのため、当社も健康づくりの支援にとどまらず、シニアのみなさまが本当に自立していきいきと暮らせる環境づくりをサポートしていきたいと考えています。今後も健康ソリューションカンパニーとして提供する製品やサービスをさらに進化させ、高齢者の方々が自分らしく歩み続けられるよう、さまざまな角度からサポートしていきたいと考えています。
また、元氣ジムでは歩行に特化した新たな通所型施設もスタートしました。特徴としては、マシン運動と自走型のトレッドミル(ランニングマシン)です。通常のジムにあるものは、電動で動く地面のスピードに合わせて歩いたり走ったりします。それだとシニアの方は足がついていかず転倒リスクにつながるので、自身の脚力で動かすというものです。また、元氣ジムのノウハウを生かし、運動の映像を見ながら体を動かすメニューなどもあります。実はこの元氣ジムに通いたいけれど介護認定を受けていないと通えないと知った方々が、「介護保険を申請するにはどうすればいいのか」とケアプラザに出向いたそうです。それほど足や歩行に悩みを抱えていらっしゃる方が多いということですので、私たちもそのご要望にできるかぎりお応えしていきたいと思っています。

 

現場の声から生まれた業務支援サービス
「買い物コネクト」

株式会社LIFULL senior 代表取締役 泉 雅人様

買い物コネクトは、介護施設・福祉施設における買い物代行業務を効率化できる業務支援サービスです。施設スタッフの方々が、利用者様のお買い物をご本人に代わって、ネットからいつでも簡単に注文することができます。
代表取締役の泉様にサービスの詳細などを伺いました。

2025年3月取材

Q. 貴社の事業内容と企業理念を教えてください。

LIFULL seniorはLIFULL HOME‘Sという不動産情報ポータルサイトを運営するLIFULLのグループ会社です。1997年、家を探している人と不動産業界の情報格差をなくすことを目指して創業者の井上が、後にLIFULLとなるネクストを立ち上げました。私たちが介護業界にも関わる転機となったのは、とある社員が自分の祖母が入居できるホームを1ヶ月半で探さなくてはならなくなったという実体験です。ネットで探せば出てくると思い検索をしたところ、当時は施設の情報がネットにはありませんでした。そのため役所などを巡り、自分で施設の比較表を作成し、1件ずつ問い合わせた結果、なんとか施設を見つけることができました。この体験をもとに、ほかにも同じような苦労をされている人がいるのではないかということで、2008年に「LIFULL 介護」という事業が誕生しました。「LIFULL 介護」は老人ホームなどの施設を検索することができるサイトで、LIFULL seniorが運営しています。
LIFULL seniorはLIFULLグループの社是である「利他主義」をベースに、老後に訪れる様々な不安を解消し、安心して老後を迎え、老いることをポジティブに捉えられる世の中の実現を目指し「老後の不安をゼロにする」をビジョンとしています。

 

Q. 買い物コネクトが作られた背景をお聞かせください。

介護施設の方に困っていることをお聞きしたところ、どの施設でも、入居様から頼まれる買い物が大変だということが分かりました。入居様によっては「前回と同じもの」といった依頼をする方も多いので、まずはその「前回と同じもの」が何なのかを調べるところから始めなければなりません。また店舗では、入居様ごとに会計をする必要があります。買い物の数も多いためレジには長蛇の列ができ、周囲からあからさまにいやな顔をされることもあるそうです。しかも、1店舗ですべての商品が揃わない場合には何軒も回らなくてはいけないので、買い物だけで丸1日かかることが多々あるそうです。職員の方によっては「買い物業務」の日には休みたくなる」というほど、負担の大きい業務とのことでした。
この悩みを解決すべく、リリースしたのが「買い物コネクト」です。

Q. 類似サイトとの差別化を教えてください。

「買い物コネクト」は、施設の買い物代行業務に密着し、言語化されていない潜在課題も解消できるように専用に設計したサービスです。したがって、ただ買い物ができればいいのではなく、「前回と同じもの」と依頼されたとき、同じ商品・個数をどのスタッフでも買えることが理想です。このような介護施設固有の業務課題を解決することができる機能が搭載されたサービスは、まだほかにはないと思います。また、「買い物コネクト」は単純なネットショッピングのサービスではなく、買い物代行業務をしている人の負担を下げるサービスです。買い物作業だけでなく、立替金の請求や報告に必要な電子領収書、各種明細情報をかんたんに出力できるようになっています。

 

Q. 「買い物コネクト」をご利用している施設の特徴をお聞かせください。

これまで複数の店舗にて買い周りをされており、購入後の小分けや現金の立替、すべてのレシートの管理や手入力など、このアナログな業務に数時間の時間を割いてこられた方が多いです。デジタル化されたこの時代に、その苦労に対して違和感を感じられた現場の方がお問い合わせいただき、「こんな便利なサービスがあったんだ」と、率先して興味をお持ちいただいた施設からご利用が始まっています。実際にご活用いただいた施設様からは、「このサービスがなくなったら困る」「業務時間が4分の1になった」と言っていただいています。導入事例も数多く増えており、皆様一様にご活用いただいているので、もっとたくさんの施設に伝えていきたいです。

Q. 「買い物コネクト」を導入してもらうために強化しなければいけない点を教えてください。


機能面は充実していますが、品揃えについてはよりご満足いただける余地は残っていると認識しています。温度管理や鮮度など難しい問題もありますが、生鮮食品なども含めニーズにより幅広く対応できるようにしているところです。

Q. 自治体へのご提案もされたそうですが、そちらはどのような状況でしょう。

実際にデイサービスでの買い物代行の提案をし、後押しをいただいた自治体もあります。しかし「前例がないから」という理由で断られることも少なくありません。当然新しい課題への取り組みのご提案なので前例はないのですが、既に課題感を抱えられている自治体と一緒に一つでも多くの事例を作り、いずれ訪れるであろう大きな社会課題に対し、今のうちから備え、高齢者の方とご家族に安心できる環境を作っていきたいです。

Q. シニアマーケットがより良くなるために施設の方へ求めることをお聞かせください。

施設と自治体に共通して感じるのは、変化を恐れないでほしいということです。「便利になりますよ」「業務時間は4分の1になりますよ」「無料ですよ」とお話しても、「今の運用を変えたくない」という理由で断られることもあります。ただ実は利用施設の約8割が導入時の変化に対する不安を感じられています。しかし、利用開始3か月後にはほとんどの施設でその不安は解消し、変えてよかったとのお声を多数いただいております。まだ体験いただいていない方達にも実際にご利用いただいた施設の方の生の声をお届けしていきたいと思っています。

Q. シニアの定義をお聞かせください。

これは私の主観ですが、人は夢や希望など、自分の人生の先に未来や期待を描かなくなったときが、一番老いるときなのではないかと考えます。自分の老後にこういう趣味を持ちたい、成し遂げたい、家族にこれを残したいなど、未来に何かしたいという気持ちを持っている方は元気な印象を受けますし、ポジティブな存在だと感じます。一定の年齢イコールシニアではなく、そんなポジティブな存在を「シニア」と定義したいですね。

Q. 「買い物コネクト」の課題や今後の目標を教えてください。

施設よりも在宅で生活されている高齢者の方が買い物弱者であるケースが多いと考えています。現在、移動スーパーや移動コンビニなどが行われている地域もあります。しかし、地域や高齢者によっては上手に活用できているわけではありません。
また、離れて暮らすご家族がご自身の時間を削り、仕事や育児と両立しながら支援しているケースもよく耳にします。そこで、今後は在宅高齢者の支援にも力を入れていきたいと考えています。現在、訪問介護でも介護施設と同じように保険内で買い物代行を行っています。ただ一方で介護保険制度の継続性(人、財源)も懸案となり、生活援助の一部を総合事業に移管する制度改正も議論されています。もしそうなると、これまでは保険内で行っていた買い物代行ができなくなってしまうため、自治体ごとに保険対象外の生活援助部分を解決していく必要があります。とはいえ、自治体もその解決策を模索中という状態で、これがあらたな社会課題となってくると思われます。その課題に対し、現在私たちは生活援助の一部である「ご自宅の買い物代行」をデイサービスの送迎導線と買い物コネクトの仕組みを利用する方法で、解決しようとしています。デイサービス利用者も離れて暮らすご家族も安心して買い物をお願いすることができるようになり、既に複数のデイサービスでの導入が始まっております。また、訪問介護で買い物代行を行っているヘルパーさんも、一度の買い物にかかる時間や労力に課題や負担を感じていらっしゃいます。保険外サービスとして買い物コネクトを利用いただければ本来業務である身体介護等に時間を充てることもできます。結果として作業の効率化につながり人手不足の課題に対しても有効になるという仕組みが出来上がりつつあります。これを、ひとつでも多くの事業所や地域に知っていただきたいと考えております。

 

Q. 貴社のシニアターゲティング市場における今後の抱負をお願いします。

この先、国内では様々な業界で労働力の不足が問題になっていくと思われます。介護業界では既に大きな問題になっているため、少ない人数でも業務が回り続けるかが大事だと考えます。そのためには、現場での業務環境を改善していくことが重要です。「買い物コネクト」も、もともと業務環境の改善を目的に作られたサービスですが、施設スタッフの悩みは買い物業務のほかにもたくさんあります。「買い物コネクト」を足がかりに、現場の他のお困りごとの解決に取り組んでいきたいです。まだまだアナログな業務が残ってしまっているからこそ、明らかに変えることができる部分はビジネスチャンスと捉えていきたいと考えています。


転んだ時だけ柔らかい床「ころやわ」に、
ご自宅向けサービスが新登場

株式会社マジックシールズ 取締役COO 杉浦太紀様

シニアライフ総研ビジネスアワード2024 プロダクト賞を受賞した株式会社マジックシールズの『転んだ時だけ柔らかい床「ころやわ」に、ご自宅向けの月額定額サービスが新登場』。今回は取締役COOであり理学療法士の杉浦様に、「ころやわ」の強みやユーザーからの声、今後のビジョンなどについてお話をうかがいました。

2025年4月取材

Q. ご自宅向け「ころやわ」の提供を2024年3月から始められて約1年が経ちました。利用者数の経緯など、現況をお聞かせください。

おかげさまで、サービスを開始してから1年が経過しました。スタート当初は、主にご自宅での使用を想定していたのですが、実際にサービスを展開してみると、有料老人ホームやグループホーム、サービス付き高齢者住宅など、さまざまな高齢者施設での利用が想定以上に多いことが分かりました。今では、施設に入居されている方の個室で使用されるケースが全体の約半分を占めています。
この背景には、入居者ご本人やそのご家族が「ころやわ」の存在を知り、施設の居室をより安心・快適な空間に整えるために導入を希望されるケースが増えてきたことがあります。また、施設職員の方が転倒リスクを軽減したいという思いからご紹介くださることも多くなり、当初の想定以上の広がりを見せている状況です。

 

Q. 施設の入居者様は自身の個室で使われていらっしゃるのですね。

はい、基本的には個室での利用がメインです。施設全体の備品として導入されるわけではなく、個人契約という形でご本人またはご家族の判断で申し込まれています。設置の際には施設スタッフとの連携が必要ですが、個人が自由に選べるサービスであることが特徴です。
施設内でもベッド周りだけでなく、トイレや洗面所、室内の通路部分など、さまざまな場所に敷設されており、ご利用者様の生活動線に合わせてカスタマイズできる点が好評です。施設側としても、事故や骨折を未然に防げることにメリットを感じてくださっており、今後さらに広がっていくと感じています。

Q. 利用者やそのご家族からはどのような声や反応があるでしょうか。

「安心して暮らせるようになった」という声が非常に多いです。特に高齢の方にとって転倒は命にかかわることもあり、「ころやわ」を敷くことで精神的な安心感が得られるという点はとても大きいと思います。
また、見た目が明るい木目調になっているため、「部屋の印象が明るくなって気分がいい」「病院のような無機質な感じがなく、家庭的でほっとする」というデザイン面での評価も高くいただいています。さらに、実際に転倒された方から「骨折せずに済んだ」「以前なら確実に入院していた状況だったが、大事に至らなかった」といったリアルな声も寄せられており、転倒事故の被害軽減に確かな手応えを感じています。

 

Q. サービスを開始されてから想定外だったことなどはあるでしょうか。

想定外だったのは、使われる場所の広さと多様さです。当初はベッド周辺やリビングなど、限定的なスペースを想定していたのですが、実際には一軒家の廊下全体、脱衣所、トイレ、玄関まで、複数の箇所に広く敷かれる方もいらっしゃいます。
やはり「転倒はいつ・どこで起こるか分からない」という意識を持っているご家庭ほど、予防の徹底に努めているように感じます。「ころやわ」は1枚ごとのサイズが決まっていて、それを自由に組み合わせられる仕組みなので、必要な場所にピンポイントで敷ける柔軟性が強みです。

 

 

Q. 高齢者が「転ぶ不安のあるエリア」はどんなところでしょう。


転倒リスクが最も高いのは、やはりベッド周辺です。特に夜間のトイレへの移動時や、寝起き直後など、体が完全に覚醒していないタイミングは非常に危険です。また、電話が鳴ったときや来客があったときなど、急いで動こうとする場面もリスクが高く、日常生活のなかで「ちょっとした動作」が事故につながるケースが多々あります。
室内での転倒は床が硬いため、運が悪いと大腿骨や手首、肩の骨折につながります。そのため、日常動線の中にあるリスクを丁寧に拾い上げ、必要な場所に「ころやわ」を敷くことで事故を未然に防ぐことが可能になります。

Q. 骨折の中でも高齢者の方が一番避けたい箇所はどこでしょう。

大腿骨です。これは歩行能力の低下、さらには寝たきり状態に直結する重大なケガであり、高齢者にとっては命に関わる場合もあります。大腿骨骨折をきっかけに生活の質が大きく下がり、結果として寿命を縮めてしまうこともあります。
そのため私たちは製品開発にあたり、大腿骨の衝撃をいかに吸収するかに特化した試験を繰り返しました。実際の大腿骨の模型を用い、転倒時の衝撃を想定して衝突試験を行いながら、最適な厚みと硬さのバランスを追求しています。「ころやわ」は単なるやわらかいマットではなく、骨折予防の観点から科学的に設計された衝撃吸収マットです。

 

Q. 現段階における課題とその対策についてお聞かせください。

大きな課題のひとつは価格です。「ころやわ」は特殊な構造と素材を用いているため、どうしても一般的なマットよりコストがかかってしまいます。そのため「欲しいけれど少し高い」と感じる方も多く、できるだけ多くの方に使っていただけるよう、製造の効率化や部材の見直しを進めて価格を下げる取り組みを行っています。
もうひとつの課題は、高齢者ご本人の意識です。「自分はまだ転ばないから大丈夫」と思われる方が多く、転倒予防の重要性がまだ十分に浸透していないと感じています。しかし実際には、65歳以上の3人に1人が年に1回以上転倒しているというデータがあります。そのため、予防の大切さを啓発する活動にも力を入れており、最近では地元・浜松市の百貨店でポップアップイベントを開催するなど、医療や介護と無縁だった層にもアプローチを始めています。

Q. 「ころやわ」のような機能をうたっている類似商品はありますか?

一部の建材メーカーが衝撃吸収床材を開発していますが、当社のように大腿骨骨折に特化し、医学的エビデンスをもとに開発された商品は非常に珍しいと思います。また、「必要な場所だけに敷ける」という運用の柔軟性も、ほかにはあまり見られません。病院で実施した1年4カ月の臨床試験でも、「ころやわ」を使用したベッドサイドでの転倒では骨折ゼロという結果が得られており、その効果を実証する数少ない製品のひとつだと自負しています。

 

Q. 杉浦様は「ころやわ」の開発には取締役として以外に理学療法士としても関わられたのでしょうか。

はい。理学療法士としての現場経験を活かし、共同創業者の下村とともに開発段階から深く関わってきました。現場での「生の声」を製品に反映することを大切にしており、歩行に支障が出ない硬さや、つまずきを防ぐスロープ設計など、細部にまでこだわっています。
特に医療・介護施設では、1cmの段差がつまずきの原因になることもあるため、使いやすさと安全性を両立するための設計には細心の注意を払いました。現場と製品開発の橋渡し役としての立場を今後も大切にしていきたいです。

 

Q. 貴社における「シニア」の定義を教えてください。

先ほどもお伝えした通り、65歳を過ぎると年1回以上転倒するリスクが高まるとされています。そのため「ころやわ」を使っていただきたいのも65歳以上の方ですので、そこはひとつの「シニア」の定義になるかと思います。年齢だけでなく、「転倒リスクが高くなり始める世代」として、生活の中での不安を感じている方々に早めにアプローチしていくことが重要だと考えています。

 

Q.  貴社のシニアターゲティング市場における今後の抱負をお願いします。

私たちの目標は、日本を「転倒予防先進国」にすることです。日本は世界でも有数の高齢化先進国であり、そこで磨かれた日本のものづくり技術を活かしてしっかりとした転倒対策モデルを築くことができれば、世界中の高齢者の生活の質向上に貢献できます。2023年にはアメリカに子会社を設立し、既にアメリカ・カナダ・イギリスなど複数の国々で製品の販売を進めています。転倒は世界共通の課題であり、当社の製品は言語や文化の壁に左右されにくく、広く適応できるのが強みです。建築基準など国ごとの調整は必要ですが、本質的な技術そのものはグローバルに通用するものと確信しています。今後は、技術と信頼に裏打ちされた「日本発」の転倒予防モデルを世界に広げ、高齢化社会の未来を支える一翼を担っていきたいと考えています。


化粧品業界初の美容療法を受けられる
デイサービス開設

(一社)日本介護美容セラピスト協会 代表理事、(株)ナリス化粧品 

介護美容事業推進部部⾧ 酒井宗政様

シニアライフ総研ビジネスアワード2024 ビジネスモデル賞を受賞した(株)ナリス化粧品の「化粧品業界初の美容療法を受けられるデイサービス開設」。今回は(株)ナリス化粧品介護美容事業推進部部⾧で、(一社)日本介護美容セラピスト協会代表理事でもある酒井様に、デイサービス開設の経緯や今後の展望などについてお話をうかがいました。

2025年4月取材

Q. 2024年に開設した、機能訓練に加えて美容療法を受けられる地域密着型通所介護「ふれあ 姫島」の現況をお聞かせください。

2024年7月に開設し、美容療法も受けられる介護施設であるということが徐々に周知され、冬の寒さがゆるみ暖かくなってきた今年の早春辺りから、体験いただく方が増えました。私たちもデイサービス事業に参入して日が浅いため、寒暖の差で通所する・しないが影響するということに驚きもありましたが、高齢者の方にとっては「暑いから・寒いから外出するのが億劫」というのは決して珍しいことではないようです。ただ、ケアマネージャーさんの理解も深まったおかげで、ケアマネさん経由で「ふれあ 姫島」を知っていただき体験される方が、現在は日を追うごとに増えている状態です。

 

Q. 「ふれあ 姫島」で行われているサービスについて具体的に教えてください。

午前の部、午後の部のいずれかに通っていただくリハビリ型のデイサービスのため、まずは準備運動をしていただきます。その後、理学療法士や機能訓練指導員の指導のもとでマシンを使ったリハビリトレーニングを行っていただき、その後は指先を使うちょっとした創作を行ったり、映像コンテンツを使った脳トレやクイズといったリクリエーションを実施します。その後に美容リクリエーションと称し、美容コンテンツをご提供しています。
当社としては「日常的に美容に関わっていただきたい」という思いがあるため、まずは「ふれあ 姫島」に来たときだけでなく、自宅でもセルフケアできるようなレクチャーを行うようにしています。たとえば洗顔、ローションパック、足湯、爪磨きといった美容レクリエーションを週ごとにローテーションで実施、また月に一度は「プレミアムセラピー週」と称し、ビューティタッチセラピストの資格を持つスタッフによる一対一のフェイシャルトリートメントやフットケアトリートメントといった施術を選んでいただく日を設けています。来所からここまで3時間ほどかかりますが、ぼんやりしている時間はないため、利用者様からは「時間が経つのが早かった」とよく言われます。

Q. 美容療法を利用される方の男女比、年代、傾向、利用頻度などについてお聞かせください。

男女比は女性が96.6%、男性が3.4%と、圧倒的に女性が多いです。もっと男性の方にも体験していただきたいのですが、ほかに男性がいないとわかると辞退されてしまうケースがあるなど、なかなか男性には浸透しにくい状態ではあります。ただ、3.4%の男性については大変楽しく取り組んでいただいているのはうれしい限りです。年代では80代が約半数を占め、70代が約3割、60代が約1割、残りが90代といった比率となっています。

Q. 利用者からはどのような声や反応がありますか。

「ちゃんとスキンケアを教えてもらったのは初めてなので、もっと早く知りたかった」、「デイサービスでこんな体験ができるなんてうれしい」といった感想を多数いただいています。高齢者の方は「この年でいまさらおしゃれなんて……」と、興味はあっても一歩を踏み出すことを恥ずかしいと思ってしまう方もいらっしゃるのですが、思いきってその一歩を踏み出していただくと、「この年で」というお気持ちが「この年でも」に変わる様子を何度も目にしました。「爪を磨いたのは生まれて初めて」と喜んでくださったり、マッサージの施術では「手が軽くなった」「手の血色がよくなった」など、みなさん本当にうれしそうにしてくださるので、私たちも「より多くの方に体験していただきたい」という思いを新たにします。足湯やフットマッサージを体験された方からは、むくみ改善や冷えの解消、さらには夜にトイレに行く回数が減り寝つきがよくなったといったお声もいただきました。
また、「ちょっとメイクもしてみましょうか」とお声がけすると、最初は「もう何年もお化粧なんてしていないから」と遠慮される方もいらっしゃるのですが、実際にメイクされたご自身のお顔を見ることで「美意識に火が灯る」というのは非常に感じます。「眉を描いてもらってからは家でも自分で描くようにしているの」などと言ってくださる方もいらっしゃいますし、「お化粧してお友達とお出かけしたのよ」と言われると、その明るい声に私たちも元気とますますのやる気をいただきます。コスメ用品の販売を目的とした施設ではないのですが、利用者様から「この間メイクしてもらったときの口紅の色がとてもよかったから欲しい」と言っていただいたり、ご自身の美容に意識が向くようになったことでリハビリにもより励むようになるといった好循環が生まれています。

 

 

Q. サービスを開始されてから想定外だったことなどはあるでしょうか。

折り込みチラシを入れたところ、高齢者ご本人だけではなく、娘さんからのお問い合わせが多くあったことです。特に「介護認定は受けられていないのだけれど通所できるか」というお問い合わせは多かったですね。お母様の美容に対する興味、娘さんのお母様に対する「いつまでも美容に興味を失わないでほしい」という思いの強さを感じました。
また、ケアマネージャーさんの理解を得る、認知していただくというのは、当初想定していたよりも時間がかかったと思います。ケアマネさんもご自身がよくわからないものを担当の高齢者の方に紹介はできませんから、利用者様以前にケアマネさんに受け入れていていただくことは必須でした。ありがたいことに、どのようなサービスかをご理解いただけたケアマネさんは大変協力的で、利用者様の体験談や感想をケアマネさんを介して紹介してくださり、さらに「ケアマネさんが教えてくれた施設なら信用できる」と体験を申し込まれる方もいらっしゃいました。

Q. 現段階における課題とその対策についてお聞かせください。

「ふれあ 姫島」は、現段階ではスタッフだけで対応できていますが、美容療法を希望される利用者様が今以上に増えると、個別の施術などに対応しきれなくなってくるという課題があります。そこで、2025年3月から、当社が2014年に設立した日本介護美容セラピスト協会で養成・認定したビューティタッチセラピストを招いて対応しています。協会が認定したビューティタッチセラピストがこういうこともできますよというモデルケースになって欲しいとも思っています。

 

Q. 貴社における「シニア」の定義を教えてください。

人生を積み重ねていくと心と体の変化が訪れますが、その上で「身だしなみを大事にしながら自分らしい生き方をしたい」という方を応援したいと考えていますので、介護が必要な方はもちろん、まだまだお元気でもっと人生を豊かにしたいと思っていらっしゃる高齢者の方、ととらえています。

 

Q. 貴社のシニアターゲティング市場における今後の抱負をお願いします。

化粧品メーカーが対応しているシニア向け商品は、アクティブシニアに向けたものが中心です。とはいえ、アクティブシニアと称するもちょっと体力や筋力が弱ってくるなど、ちょっと健康面に心配があるといった方も多いのですが、そういった方も含め、さらには認知症の方や障害のある方にも対応できる施術を追求していければと思っています。美容コンテンツというアプローチをもっと広げる必要がありますし、何より美容習慣を継続することは健康の維持にもつながりますので、その重要性を今まで以上に発信していきたいと考えています。

 

 

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