2020.12.16 様々な見守りサービス
超高齢社会の現在、はなれて暮らす親の健康状態が心配でも、遠くにいるとすぐに見にいくことができなくて心配だという人が新型コロナウィルスの影響も相まって増えています。そんな家族にかわって親の安否を確認したり、異常があれば連絡してくれるのがシニアの見守りサービスです。
見守りサービスには、以前から新聞の配達員さんや宅配業者の方々がコミュニケーションの延長線上でその機能を代行してくれたり、最近は新たなサービスメニューとして計画的・効果的に見守りを実施してくれるような事業会社も増えてきています。
ただどうしても心配する親族やお子様をよそに、「自分のことは自分で対処できるから大丈夫。」と思っているシニア層や、「そんなことに無駄なお金を使いたくない・使わせたくない。」という方、「何か監視されているようで、生活がしにくい。」と思われる方も少なくないようです。
そんな悩みを解消すべく、さまざまな見守りサービスが市場に出てきています。今回は今年リリースされた見守りサービスのツールやそれらを使用した取り組みなどについて紹介します。
アラ70の18%は一人暮らし、子供との同居は28%
シニアライフ総研オリジナル調査2020年版で、「あなたと同居されているご家族を教えてください」と聞いたところ、アラ70層(65歳以上で介護などのサポートを必要としない高齢者)のうち最も多かったのは、「配偶者・パートナー」72%、「お子様」28%、「同居人はいない(一人暮らしをしている)」18%という結果になっています。
見守りサービス事例紹介
CONNECT(やさしい手)
「CONNECT」は、設置工事が不要な世界最小クラス※1 のワイヤレスマルチセンサーで、発信機となる「コネクトハブ」をインターネット(Wi-Fi)に接続し、感知機となる「コネクトセンサー」をご自宅のドアなどに設置することで、ドアの開閉や気温などの情報、ご高齢者の生活見守りなどをスマホの専用アプリで確認できます。また、「コネクトセンサー」を身に着けてもらえれば、ご高齢者の帰宅も確認することが可能になります。
遠方のご両親が心配、離れていても日常を優しく見守りたい、というご家族のためのライフサポートサービスとしてご利用いただけます。
※1 メーカー調べ
>>やさしい手/IoT 機器「CONNECT」の販売を 1 月 1 日に開始
(シニアライフ総研特選ニュースより)
まごチャンネル with SECOM(チカク)
「まごチャンネル with SECOM」は、「たのしい、みまもり。」をコンセプトとするご高齢者向けの新しい見守りサービス。チカクの「まごチャンネル」に、セコムの環境センサー「みまもりアンテナ」を接続することで、コミュニケーションを楽しみながら見守りができる新しいサービスです。ご実家では、「まごチャンネル」を通じて、離れて暮らすご家族の動画や写真などをテレビで楽しめ、ご家族の側ではご実家の「みまもりアンテナ」からの情報をもとに親御さんの起床や就寝、室内の温湿度の変化などをアプリで確認することが可能です。
離れて暮らす親御さんのことが「心配ではないものの様子は知りたい」方や、親御さんから「まだ元気だから見守りは必要ない」と言われている方に向け、ゆるやかな見守りを提供するとともに、親御さんも楽しみながらサービスをご利用いただけます。
>>チカク/チカクとセコムが協働で開発した「まごチャンネル with SECOM」が販売開始
>>セコム/セコムとIoTベンチャー企業チカクが「まごチャンネル with SECOM」の提供を開始
(シニアライフ総研特選ニュースより)
Sigfox(大阪府住宅供給公社)
大阪府住宅供給公では、IoTネットワーク「Sigfox」と振動センサデバイスを活用し、離れてくらす親族が、インターネット環境やスマートフォンなどを持たない高齢者であっても、その生活を見守るシステムとして構築・運用することで、「見守られる」高齢者側と「見守る」親族側双方の不安軽減につながるかなどの検証を実施しています。「見守られる」高齢者宅(10世帯)の冷蔵庫ドアなど(1日1回は必ず開閉する場所)に振動センサデバイスを設置。高齢者には普段どおりの生活を送っていただくだけで、デバイスが検知した振動がSigfoxネットワークを通じて、メールなどにより、離れてくらす「見守る」親族に通知されます。
>>大阪府住宅供給公社/IoTネットワーク「Sigfox」を使った高齢者見守りサービス
(シニアライフ総研特選ニュースより)
ハローライト(ホームネット)
ハローライトは、LEDとSIMが一体化している世界初(※1)のIoT電球です。通常の電球をハローライトに交換することで、電球1つで点灯状況の通信が可能となり、24時間の点灯と消灯をチェックし、その動きがない場合に限り翌日にメールにて通知を行います。(特許出願済:特開2016-218969)また、Wi-Fiルーター、電源コンセントや設置工事が不要です。電球の点灯と消灯だけで安否確認をする為、プライバシーも守られ、単身高齢者の自然な見守りに役立ちます。
(※1) 株式会社ソラコムが提供する“SORACOM IoT SIM”を採用したLEDとSIMの一体型の電球は世界初になります。
>>ホームネット/見守りサービスが東京都日野市の単身高齢者等の見守りのモデル事業に採用
(シニアライフ総研特選ニュースより)
SOWAN(高山商事)
「SOWAN(ソワン)」は、24時間体制での対応が求められる介護において、介護職員の負担軽減と、利用者・ご家族へ安心を届けることをテーマに開発された自律走行型の介護ロボットです。利用者の方のバイタルデータを見守りながら建物内を自動巡回し、異常時にはその場へ駆けつけ、状況を映像で職員へ伝えるとともに記録を残します。巡回中は、顔認証による声掛け、転倒者検知、自動充電など、人に寄り添いながらサポートするさまざまな機能も備えています。
>>高山商事/24時間見守る自動駆けつけ介護ロボット『SOWAN(ソワン)』
(シニアライフ総研特選ニュースより)
独居ケアアシスタント(ネコリコ)
「みまもられる人も みまもる人も 安心につながる」をコンセプトのサービス、「独居ケアアシスタント」。
冷蔵庫に設置したセンサーがドアの開閉を検知。一定時間動きがない場合のみ異変を通知します。みまもる人、みまもられる人に負担をかけず、ちょうどいい距離感でみまもりできます。また、直観的でわかりやすい管理パネルで、次の行動をサポートするのに必要な情報を、まとめて見やすく表示するダッシュボードをはじめ、みまもる人(事業者)が利用しやすいメニュー構成になっています。さらに。「みまもりセンサー」は、コンパクトなサイズにLTE通信機能と3つのセンサー(温度、湿度、加速度)を搭載しています。SIMカードも内蔵しているため、インターネット回線や電話回線のない環境でも、電源オンですぐに使えます。
>>ネコリコ/孤立死を防ぎたい!「独居ケアアシスタント」を提供開始
(シニアライフ総研特選ニュースより)
見守りセンサー「Tellus」(Tellus You Care)
Tellusは、身体に何も装着せずに、心拍数、呼吸、睡眠、転倒などをモニタリングするデバイスです。主に高齢者介護での活用が見込まれ、既に日本国内の多くの施設で実証実験を繰り返してきました。特長は下記のとおり。
1.プライバシーを守りながらモニタリング
Tellusはレーダー技術を活用しています。そのため、カメラやマイクを使用せず、身に付ける必要もありません。もちろん身体にも安全です。
2.簡単なセットアップ
大掛かりな工事は不要です。手のひらサイズのデバイスを壁に設置して電源につなぐだけで、部屋にいる方の動きを検知し始めます。
3.遠隔から見守り
徘徊をメールで知らせることにより、外出中や遠隔からでもお手持ちのスマートフォンなどで状況を確認できます。
>>Tellus You Care/【米Tellus社】見守りセンサー「Tellus」、介護保険の対象に
(シニアライフ総研特選ニュースより)
小型機器(環境センサー)をコンセントに差し込むだけで、屋内の温度・湿度・明るさを把握できる見守り支援サービス「みまもりーね!」。
大切なご家族が自宅にいるはずの時間帯なのに暗い状態が続いているなど、屋内環境をリモートで知ることができます。猛暑が続き、熱中症に気をつけたいタイミングですので、「部屋の温度が高くない?」などと電話をかけたりするきっかけにもなります。また、ペットを飼っている一人暮らしの方が、不在中の室内温度を知るために使うことも可能です。
「みまもりーね!」は、縦が約8.6センチ、幅約5.4センチ、薄さ約1.4センチの小型機器(環境センサー)をコンセントに差し込むだけで稼働します。機器はレンタルの形となります。
>>産経新聞社/大切な家族の生活環境を把握 見守り支援サービス開始
(シニアライフ総研特選ニュースより)
浴室あんしん安全システム(JVCケンウッド)
超音波センサーにより入浴者の頭部位置を計測することで、浴室内死亡事故のリスクを低減する非常発報システム「浴室あんしん安全システム」。
天井に取り付けた超音波センサーにより入浴者の頭部位置を測定し、頭部位置に変化があった場合、浴槽との位置関係を計測することで、約3秒で溺水等の有無を判断。一次警報として音声アラームで入浴者に通知した後、反応がない場合は約18秒後に浴室外に通報します。そして、警備会社などと連携することで、発報を受けて救助者が駆け付け、早期に救命作業を行うことが可能となります。
>>JVCケンウッド/非常発報システム「浴室あんしん安全システム」を開発
(シニアライフ総研特選ニュースより)
パルモどっち君2(iSEED)
「パルモどっち君2」は、普段お使いになる衣服、靴、鞄に装着できる超小型のGPS端末です。そっと忍ばせて、持ち忘れを防ぐことを期待できます。エリア検出機能により、一定の範囲から外に出たことを検知して、予め登録したメールにお知らせが届きます。位置検索は、地図上にピンが表示され、簡単に位置がわかります。ボタンの押下で自分の位置情報を知らせることなど、抱負な機能を持ち、徘徊でお悩みの皆様にご安心を提供します。
>>iSEED/徘徊高齢者をGPSで位置情報を検索する「パルモどっち君2」
(シニアライフ総研特選ニュースより)
さまざまなツールやそれらの使い方の検証や社会実験が行なわれ、シニアのおかれている状況や環境によって選択肢が増えることは好ましいことですね。
ただツールの使用だけでなく、直接会ったり、直接声を聴かせてあげることが多くのシニアの喜びだったりすることも忘れずにしたいですね。