介護施設入居のタイミングに関する調査「きっかけは認知症」が46%と最多

2023/8/3

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社で、日本最大級の老人ホームポータルサイト「LIFULL 介護」を運営する、株式会社LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人)は、介護施設へ入居するきっかけや介護施設への入居を検討し始めた時期などの実態を把握するため、1年以内に家族または親族が介護施設に入居予定の方などを対象に「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」を実施しました。

調査サマリー

  • 入居を決めたきっかけとして46%が認知症を、33.3%が認知症以外の疾患をあげている
  • 認知症の症状の中できっかけとなった理由として多く挙げられたのは「排せつの失敗」「お金の管理ができない」
  • 認知症以外の疾患では「骨折」「脳血管疾患」が最多で、「糖尿病」がそれに続く
  • 入居前、自宅での介護期間は1年以上2年未満が18.5%で最多
  • 50%超が、要介護2以下で介護施設へ入居している

50%超が、要介護2以下で介護施設へ入居している

入居時の要介護度として最も多かったのが、立ち上がりや歩行などが自力で出来ない場合が多く、排泄や入浴などにも介助が必要な「要介護2」という状態で、全体の16.7%を占めました。「要介護1」の15.8%、「要介護3」の15.4%、「要介護4」の12.7%と続きます。

 公的な介護施設である、特別養護老人ホームへの入居条件は原則として要介護3以上です。しかし、今回の調査では要支援1以上、要介護2以下で施設へ入居した方が54.6%を占め、介護度が比較的軽度でも施設入居を必要とすることは珍しくないと言えるでしょう。

入居のきっかけとなった状況の第1位は認知症

入居を考えるきっかけとなった状況について聞いたところ、46.0%に「認知症」が、33.3%に「認知症以外の疾患」があったという結果になりました。また、「入院していた」は29.6%、「特に疾患がなかった」 は12.7%となりました。

認知症の症状では「排せつの失敗」「お金の管理ができない」が上位

入居を考えるきっかけとして認知症の症状をあげた920人に、介護施設入居に強く影響した認知症の症状を3つまで聞いたところ、「排せつの失敗をする」(32.3%)、「お金の管理ができない」(29.0%)、「怒りっぽくなる、暴力をふるう」(18.2%)が上位3項目となりました。これらの症状が、自宅での生活を続けられるかどうかに大きく関わっていると言えます。

認知症以外の症状では「骨折」「脳血管疾患」「糖尿病」が上位に

認知症以外の症状が入居のきっかけとなったと答えた666人に、強く影響した症状を3つまで聞いたところ、「骨折」と「脳血管疾患」が共に17.0%でトップとなり、次いで「糖尿病」(15.9%)という結果になりました。

骨折や脳血管疾患は、それがきっかけで日常生活に影響が出ると考えられますし、糖尿病は食事のコントロールを専門家に任せたい疾患であるため、それぞれが上位にあがるのも納得の結果と言えるのはないでしょうか。

約6割が自宅で介護をしてから3年未満で入居を決めている

入居前にどれだけ自宅で介護をしていたかを聞いたところ、介護をしていたケースでは「1年以上〜2年未満」が18.5%で最も多く、次が「2年以上〜3年未満」の14.4%、「6ヶ月以上〜1年未満」が12.1%で続く結果になりました。自宅での介護期間があるケースでは3年未満の合計が59.6%と、約6割のケースで自宅介護から3年以内に施設介護へと切り替えていることがわかります。

また、「自宅での介護期間はない」と答えた方は15.4%となり、全体では2番目に多いケースであることがわかります。ケガや病気で入院し、退院後に自宅で暮らすことが難しくなったケースなどが考えられます。老人ホームへの入居は自宅介護の末にたどり着くものというイメージが強いですが、突然入居が必要となり、急いで情報収集をしなければいけなくなることもあるのです。

今回の調査を受けて「LIFULL 介護」編集長 小菅秀樹のコメント所感

今回の調査では、多くの方がどんなタイミングで入居を決断しているかを可視化することができました。老人ホームは介護度が重く寝たきりの方が入るイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。実際に、公的な入居型の介護施設である「特別養護老人ホーム」は原則要介護3以上の、身の回りのことほとんどに介助が必要な方でないと入居ができません。

しかし、調査結果を見ると要介護2以下でも介護施設へ入居した方が半数以上いらっしゃいます。身の回りのことがある程度できていたとしても、認知症により排せつに失敗してしまうことがある、またはご自身でお金の管理ができない、暴力を振るってしまうなどの症状がある場合、自宅で生活を続けることが困難になる場合があると、調査結果から見受けられました。

老人ホームの入居相談を受けていた経験から、ご家族の入居を躊躇っている介護者の方には入居の決断タイミングの目安としてこんなことをお伝えしていました。

「睡眠時間を削って生活に支障を来す、または精神的・肉体的な負担が限界を迎える前に、ご家族の入居を考えましょう」。

介護はいつ終わるかわからないもの。続けられる介護であることが一番重要です。


また、自宅介護の期間がないまま老人ホームへ入居する方も一定数いらっしゃり、老人ホームの情報が突然必要になる場合も考えられます。親の介護が始まる前から、少しずつでも介護保険や老人ホームについての情報を入手しておくことをお勧めします。

LIFULL 介護が運営するオウンドメディアでも介護施設への入居タイミングに関する記事を公開中です。

老人ホームに入居。きっかけとして多い認知症の症状、介護期間は?

https://kaigo.homes.co.jp//tayorini/column/jreport2023-01

在宅介護の限界はどこ?専門家が判断する「老人ホームの入居どき」を解説します

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/Kosuge/02/

「LIFULL 介護」について

有料老人ホームや高齢者向け賃貸などの情報を掲載したポータルサイトと電話相談窓口で、高齢者の 住まい探しをお手伝いするサービスです。あらゆる人々が、安心できる高齢期の住まい情報にアクセスできるよう、今後も機能を拡充していきます。

ウェブサイト:https://kaigo.homes.co.jp/

YouTube:https://www.youtube.com/c/lifullkaigo/featured

株式会社LIFULL senior について

「老後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの力で、超高齢社会の課題を解決する様々な事業を展開しています。主な事業として、老人ホーム検索サービス「LIFULL 介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代行業務支援サービス「買い物コネクト」があり、今後も高齢者や関わる人々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡大していきます。

会社名:株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)

所在地:東京都千代田区麹町1丁目4−4

代表取締役:泉 雅人

設立:2015年7月1日

事業内容:

老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営

https://kaigo.homes.co.jp/

遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営

https://m-ihinseiri.jp/

介護施設向け買い物代行支援サービス『買い物コネクト』の運営

https://lp.kaimonoc.jp/

介護当事者一歩手前の世代に向け、介護や老後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア『tayorini』(たよりに)の運営

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/

関連企業:株式会社LIFULL

https://lifull.com/

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